第17話 これからの方針

「ふぅ…さてと、これからどうしようか。」


(割と強引に)戻ってきた僕達はそのまま今後の方針を立てることにした。


「そうですね…とりあえずリリアの身分証その他諸々の準備ですかね。」


「そうだね…冒険者ギルドか魔術師ギルド…商人ギルドとかか。リリアはどれがいいとかある?」


 やっぱり本人の意見は重要だしね。嫌なことはさせられないし。


「冒険者かのぉ…旦那様やリーンと一緒に行動したいしの。」


「あの…旦那様じゃなくてレインじゃだめ…?」


 他の人が居る所で旦那様とか恥ずかしすぎる…


「え?そっちのほうがいいのかの?なら、レインで呼ぶのじゃ。」


 良かった。すぐに了承してくれて。


「さて…とりあえずギルマスに話通すか…」


「そうですね…さすがに魔族の姫が登録とか色々複雑かつめんどくさくなる予感しかないですし。

 」


 たしか…あの人に渡した通信用の魔道具があったな。たしかここらへんに…


「えーっと…あ、これだこれだ。」


「なんじゃ?その魔石。細工してあるようじゃが…」


「ギルマス?いま暇ですか?」


『おや?レイン君じゃないか。連絡なんて久しぶりだ。なにか用か?』


「あ、女王陛下のやつだ……」


 似てるから間違えた…

 てゆうか、なんですぐに応答してるんだ?このひと…王女だよね…?


「!?!?!?!?!?!?」

「ふむ…敵かの…?」


 リーンはなんかよくわからなくなってるし…かわいい。

 リリアはよくわからないことを小声で言ってる。よく聞こえなかったけど。


『ふむ…なるほど…おそらくギルマスに連絡しようとして私のやつと間違えたな?はぁ…君は毎回そういうところがあるな…』


 いや、なんでこっちの事情分かるの?


「あー。えーっと…」


『そして、そこの魔族のお嬢さんの冒険者登録でもしようとしたと…なるほど。わかった。』


「はぁ…なんでわかるんですか…僕の事監視でもしてますか…?」


 前からこの人こんな感じなんだよなぁ…


『…そんなことするわけないじゃないか。それより私の方で発行しておこう。明日辺りにギルドに行けばもらえるだろう。』 


 一瞬間があったのが少し気になるがすぐに本題に戻され話が済んだ。


「ああ、ありがとうございます。すみません。手をかけさせて。」


『ふふっ…いいさ。君と私の仲だ。この程度のことなら喜んでやってやろう。ではな。』


「えーっと…レインさん…?」


「えーっと…この国の女王陛下のタルト様が手続きしてくれるからとりあえず安心かな。たぶん。寝ぼけてなければ。きっと。」


「後半不安すぎません…?女王様ですよね…?」


「すごく優秀なんだけどいっつも寝ぼけてるんだよね…」


「てゆうか、いつ女王陛下と知り合ったんですか?私と会う前ですよね?」


「そうだね…僕がまだ新人だった頃の話だからね。」


「ふむ…その話聞かせてもらえぬか?」


「いいよ。えっとね…」


 懐かしいなぁ…あのときは色々とあったからね…ほんとに…

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