第10話 魔王の娘とご対面。この娘も持ってるんだ…

「ん……」


 僕はベッドの上で朝の日差しによって目を覚ました。リーンと一緒に寝るのは流石に駄目だと思ったのでリーンが深い眠りに落ちたタイミングで床で寝始めたから体が…

 いや、待てよ?なんで僕はベッドの上にいるんだ?というか…なんで僕は?

 僕が混乱してどうにか抜け出そうともがいていると…

 扉が開く音が鳴った。


「あ!レインさん、おはようございます♪」


 すごく上機嫌なリーンが入ってきた。


「どういうこと…?リーン。」


「どうって…レインさんがベッドから落ちてたので落ちないように縛り付けてるだけですよ?」


「落ちたわけじゃ…それより、この縄解いてくれないかな?」


「あ、そうですね!」


 そう言って、リーンは懐からナイフを取り出すと縄を切っていく。


 これからは絶対に部屋を分けよう。僕は心に誓った。


 ――――――――――――――――――――――


 なんやかんやあったあと、僕は朝食を取りながらリーンにあの娘のことを聞いていた。


「そういえば…あの娘は?」


「ああ。忘れていました。レインさんが起きる前に目を覚ましましたよ。これからなんでここにいるとかを聞きに行きます。」


「わかった。僕も行くよ。」


「もとよりそのつもりです。」


 そして、僕達は魔王の娘である娘に事情を聞きに部屋に向かった。


「入りますよー」


 リーンが開けた部屋には白いワンピースを着た魔王の娘が座っていた。髪は銀色で肌は白い。そして、一番目立つのは右目につけられた眼帯だ。


「む、リーンか。そして…その男がレインとかやつか。」


「うん。そうだよ。王都の冒険者をやってるよ。まあ、リーンよりランク低いけどね…」


「…ふん。それも聞いておる…」


 途端に魔王の娘が怯えた表情をする。


「えっと…大丈夫?体調がまだ悪いなら休んでいて大丈夫だけど…」


「いや…気にするで無い…ちょっと嫌なことを思い出しただけだ…」


 そして、しきりにリーンの事を確認している。僕もつられて見てみるが…いつも通りのリーンがいるだけで何も怯える要素はないばずなんだけど…


「そ、そういえば、君の名前は?」


 なにか触れてはならない気がしたので話題転換をする。


「我の名前は…イリア。」


「イリア…ふむ…?偽名…か。」


「ほう。なぜわれの名前が偽名だと?もし、適当な理由だったら…わかっているな?」


 途端にリリアの威圧が増す。常人なら捕食される側の感情…まあ、怯えるだろうね。まあ、この程度わけもないけど。


「簡単だよ。はい、これ読んでみて?」


「これは…本か?…魔導書か……?いや…聖書?なんなんだ?これは。こんな神気と魔力を放つ本など見たこと…というか、聞いたこともないぞ…」


 リリアが【神鑑の本】ヴィル=レオラのほんを手に取り中を見ていくと…


「くくっ…なるほどなるほど…【神眼】か…」


「おっと…これの正体がわかるとは思わなかったよ。」


「いやはや。まさか、同じくような神の力を持つものが我以外におるとわな…」


「君も神の力が?」


「ああ。じゃが…制御できないがの。」


「ふむ…能力は隠密系?」


「それならば制御は簡単だったんじゃが…あいにく、破壊系統でな…一応この眼帯で封じてはおるが…いつ壊れるか…まあ、この左眼が看破系統じゃからカマをかけて当てただけじゃよ。」


「ちょっとだけその眼帯見せてもらってもいい?」


「……?いいぞ。まあ【古代遺物】アーティファクトの類いじゃがな。」


 そう言って、僕はリリアの眼帯を覗く。


「…なるほどね……


「知っておるのか?」


「うん。前に少しだけね…それよりも…ちょっと失礼。」


 僕は眼帯に触ると魔力を送り始めた。


「な、何を…?」


 リリアも何をしているのかわからないみたいだね。


「………よし。出来た。」


「な、何を…?って、眩しい!」


 リーンが何をしたのかを聞こうとすると…突然、眼帯が光り始めた。その光は10秒くらいで収まった。そこには…


「え……?り、リリア……?」


 眼帯が外れたリリアの姿があった。


 ――――――――――――――――――――――

 やっと10話か…長いなぁ…話ほぼ進んでないけど…

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