第7話 僕の秘密とリーンの想い

 リーンと別れてリーンの部屋に戻ってきた僕は魔族の子供をベッドに寝かせた。


「さてと…どうするか…」


 あの僕の魔法オリジナルを使えばすぐ原因がわかるけど…発動の為の代償がというか条件というかがな…一人じゃできないしね。とりあえず、リーンを待ったほうが良さそうかな。とりあえず、座って待ってるか。


 ★


「ただいまー」


 魔族の子供の様子を見ながら待っていると、リーンが帰ってきた。


「あ、リーン、お疲れ様。ありがとうね。それで、どうする?」


「医者につれていきたいですが…11時ですか。この時間じゃ空いてないですね。鑑定魔法でも使えればよかったんですが…」


 鑑定魔法は対象の状態を鑑定してくれる便利な魔法だが、使えるものは一部の者だけだ。リーンや僕も鑑定魔法は使えない。一応、鑑定玉というアイテムがあれば鑑定はできるが高価だし生物には使えない。


「…レインさん。なにか隠してませんか?」


「え?何いってんの、リーン。」


「これはなにか隠してますね。私の勘が言ってます。あと、疑問から始めるときはなにか隠してる証拠です。」


「な、なんのことだか…」


「早く言わないと今日はレインさんと寝ることにしますよ。」


「えーっと…それは流石に…」


「ほんとにやりますよ?いいんですね。」


「わ、わかったよ…普通の魔法と違ってその人しか使えない魔法があるのは知ってるでしょ?」


「知ってますよ。普通の魔法と威力が違うんですよね。こんなの学校で…って、そういうことですか。」


「僕が使える唯一の魔法オリジナル『神眼』しんがん。全てのことがわかる呪いの眼だ。」


「呪いの眼…?神様の眼って名前なのになんでですか?」


「一言で言えば情報量が扱えきれないんだ。普通は神の名を冠する魔法は、その神の名前があるってことは知ってるでしょ?」


「そうですね。たとえば神炎ベリサマ神樹ドラなどですね…あっ。」


「そうなんだ。神眼は神の名がないんだ。そのせいなのか知らないけど何もかもが視えるんだ。名前や年齢などは当たり前。過去や未来やその人の寿命…ありとあらゆるものが…」


「そ、それじゃあ…今も?」


「いや、今は封印している状態なんだ。そのおかげで、普通に生活していけてるけど…って、うわぁ!」


 なぜ変な声を上げたのかというとリーンに抱きつかれてしまったからだ。リーンは立ったままに対し僕は椅子に座っていた。僕が困惑して声が出ずに固まっているところで、リーンが話し始めた。


「なんでその事を話してくれないんですか!私は少しでも貴方の力になりたい!私がここまでこれたのも貴方が教えてくれて!助けてくれて!支えてくれたから!ここまで走ることが出来たんです!」



「リ、リーン…」


 リーンがこんなに僕のことを考えてくれてるなんて…嬉しいな。


「…君となら出来るかな。この眼の制御が。」


「どういうことですか?その眼は使えないはずでは?」


「この眼の封印は2段階で封印してある。その一個なら限定的だが能力の開放が可能なんだ。だけどその方法がね…」


「その方法が…なんなんですか?」


「えっと…言ってもいいの?多分、恥ずかしくなっちゃうけど」


「大丈夫です!」


「えっと…キ、キスをしなきゃいけないんだ…」


「えっと…?あの口づけのキスですか?」


「う、うん。」


 リーンはそのまま赤くなって下を向いて言っている。やっぱこうなるだろうなとは思ってたけど、流石に駄目だよね。リーンも最初にキスしたい人もいるだろうし。

 と、思っていたら。


「やりましょう!」


「え?無理しなくていいんだよ?」


「大丈夫です!まっっっったく問題ありません!さあ、やりましょう!」


 すっごい顔赤いけど…ほんとに大丈夫かな…

 ちなみに、ずっと抱きかかえられていたので逃さないと言わんばかりにしっかり抱きしめられてる。そのせいで…


「わ、わかった…わかったから…離して…息…が…」


「きゃ────────!」


 僕はリーンの胸の中で危うく窒息死するところだった。



―――――――――――――

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