第5話 ……リーン?何言ってんの?
「まあ、ご飯行くにも薬草集めてからじゃないと。」
「そうですね。さっさと集めますか。」
「僕が薬草集めるから周りの警戒よろしくね。リーン。」
「わかりました。強化魔法お願いします。」
レインは頷くと、強化魔法の詠唱に入った。
『無力な者に反旗を掲げる力を。LV.5
「これでいい?」
「いいですけど、レインさんホント壊れてますね…」
「え?これが普通でしょ?まあ、リーンには効果強くなっちゃうけど。」
「まず、LV.5なんて高位魔法を短縮詠唱でって…普通効果が弱くなるはずなんですけど。しかも、効果高くなるってどのぐらいですか?前は、1.5倍でしたよね。」
ちなみに、普通は1,5倍など最高位のLV.10でやっとの領域だ。
「んー…今は、2.5倍くらいだね。」
「は?ほんとですか?」
「まあ、リーンが僕のことをどれだけ信用してくれるかで効果決まるんだよね。2.5か…彼女たちも2.5倍だったなぁ。」
リーンはここで少しイラッとした。
「あ、なんか周りのモンスターが逃げてく。なんでだろう?」
「さぁ?この隙に薬草を集めて帰りましょう!」
リーンの殺気を浴びせられたからとは、本人しかわからなかった。
☆
夕刻に薬草を集め終わったレインとリーンの二人はギルドに納品した。
「さて、終わったしご飯いく?」
「あ、ちょっと待ってて下さい。汗流してから行きたいです。」
たしかに、なぜかモンスターがいなくなったが逆に強めのモンスターが多く、少しリーンが苦戦した。
「わかった。どこで待ってればいい?」
「そうですね…私の宿の部屋で待っててください!」
「え?流石にそれは…宿の部屋とはいえまだ未婚の女性の部屋に行くのは…」
「私の宿からの方が近いですから!私は気にしませんし!」
「でもなぁ…」
「いいですから!行きましょう!」
結局、リーンの部屋にお邪魔することになってしまった。
☆
「はぁ…来ちゃったよ…」
僕はイスに座りながらため息をついた。ホント、リーンとかホノコたちに毎回押し切られちゃうんだよなぁ。信頼してるのもあるけど、僕って押しに弱いからなぁ…
「しかも、ここは絶対見ないでください!って言ってた箱がすっごい気になる。」
そうなのだ。ここに来て着替えを待って(着替えを取る時、僕は後ろを向いて耳をふさいでいた)備え付けのシャワー室に行く前に、この箱は見ないでください。といって隣接するシャワー室に行った。
何が入ってるかすっごい気になるけど違うことに集中しよう。
「本でも読んで待つか。」
そして、本を読みながら待つこと約15分リーンがシャワー室から出てきた。
「ずいぶん長いことシャワーしてたね。魔力も持ってかれるのに。」
「女のシャワーはこのくらいですよ。」
そして、彼女が僕の前を通ると髪から花の香りがした。
「ん?この香りは…ローズかな?」
「さすがレインさんですね。ローズの香りのシャンプーを使いましたから。」
ローズか。リーンにピッタリな香りだね。てゆうか、香料入りのシャンプーなんて一個10000ゴアくらいの高級品だし。シャンプーも最近普及し始めたので高いはずなのに。
「さて、行こうか。」
「え?何言ってるんですか?レインさんも汚れ落とさないと。」
「……え?」
えっと?リーンは何言ってるのかな?
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