第3話 元教え子と再会しました。

 ええええええええええええ!マジか…あのクロが聖女様なんて…きっと並々ならぬ努力をして手に入れたんだろうな…

 感慨深くクロを見てると、クロがこっちを見た気がした。


「気のせいだよな…」


 流石にこの人混みの中で見つけるなんて無理だろう。

 そして、僕は街を観光してから宿に帰って寝た。


 ☆


 朝、僕は宿に併設された食堂で朝食を取った後、冒険者ギルドに来ていた。もちろん依頼を受けるためだ。


「うーん…これがいいかな。」


 薬草を採取する依頼を受けることにした僕は受付に行き、依頼受諾してもらいギルドを出ようとした。

 が、


「レインさん!?いつの間に帰ってきてたんですか!?」

「あ…リーン…久しぶり…」


 整った顔と赤髪に青色の瞳、健やかに育った胸に綺麗なプロポーションの彼女はリーン。B級の中級職 魔法剣士だ。この子がまだ駆け出しだった頃に、僕が教官を務めた子だ。

 まあ、急成長してすぐ抜かれちゃったんだけどね。


「レインさん2年ぶりに帰って来て私に挨拶もなしに何してたんですか~?」

「僕も昨日王都に入ったばっかだから何もしてないよ。君も仕事があるだろから、ここでばったり会うことを期待してたんだよ。とにかく、目立った傷もなくてよかったよ、こんなにきれいなんだからね。」

「き、きれいだなんて…私なんてま、まだまだですよ。…ダメですよ、私以外にこんな事言ったら。」


 後半に何言ってるか聞こえなかったが、何故か顔を真っ赤にしているリーンの頭をなでていると、急に出入口から視線を感じた。


「…?気のせいか?」


 視線を感じた僕は入口の方を見たが冒険者たちが出入りしかしていなかった。


 ☆


 一人で森に薬草を取りに向かおうとしたら、リーンがついてきた。

 彼女いわく、


「レインさんは戦闘があまり得意ではなかったですよね?しょうがないですから、私が護衛してあげます!仕方なくですからね!仕方なく!」


 …何故か顔を赤くしながら言ってきたので了承した。僕の能力も十分に使えるからね。

 ということで、森の外縁部に僕たちは来ていた。


「ええーー!!追放されたんですか!?レインさんが!?ありえないリーダーです!今すぐレインさんに土下座させて賠償金むしり取って生まれたことを後悔させてやりたいです!」

「お、落ち着いて?別に恨んじゃいないし納得して出てきたから…でも、彼女たちは心配だな…プレゼント使ってくれるといいんだけど…」


 急に辺りの気温が下がった。


「レインサン、イマナンテイイマシタ?」

「え?出てくる前にプレゼントおいてきたって言っただけだよ?」


 僕は彼女の変化に全く気づかずに言った。


「はあ…この人は…レインさん、これ終わったら食事にでも行きませんか?」

「いいよ。君の近況も聞きたいから。」


 彼女のささやかな陰謀に気づかずに了承した。

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