第2話 あの…幼馴染が聖女になっていました。
【迅雷】を抜けた僕は馬車に乗って王都に来ていた。長い列と検問を通ってここまで乗せてくれた人に礼を言って、僕は宿を探すために歩いていた。
「うーん…なんか人がいつもより多いな…なんかやってんのかな?」
そこで僕は屋台に行った。
「らっしゃい!どれにする?」
「うーん…火炎鳥の手羽先下さい!」
「はいよ!ちょいと待っててくれ」
「わかりました。にしても、今日は人が多いですね…」
「兄ちゃん勇者パーティーの出発を見に来たんじゃねえのか?」
勇者パーティーか…噂には聞いていたけど今日だったのか。
「そうなんですか…知らなかったです。」
「まあ、おれからしちゃあ不安なんだけどな。」
「え?どういうことですか?」
「パーティーに男1人女4人だぞ?色恋に夢中になっていつか死にそうだよ。」
ああ…ここもか…
「まあ、実力はいいんだろうが…ほら、できたぞ。」
「ありがとうございます。少し色を付けてお支払いしますね。」
「まじか…勇者パーティーは神殿前にいるらしいぞ。」
最後に礼を言って屋台から離れた。
「うーん…最高…このピリッとした辛みがいいね。」
手羽先をたべた僕はそのまま神殿に向かって歩き出した。
☆
混雑している道を苦労して進んで行くと懐かしい神殿が見えてきた。
「懐かしいなぁ…ここで魔法適正を聞いたんだっけ。」
基本的に、6歳に神殿でみんな魔法適正の診断を受けることになってる。
魔法の属性は、基本の火、水、土、風、無と多数の上位属性がある。たとえば、炎や氷、木などだ。基本的に火←水←土←風←火となってる。僕は無属性と水属性に適性があった。まあ、水は飲み水を出すくらいだけど。
「そういえば、クロはどうしてるんだろう。」
クロ、僕の幼馴染の名前だ。まあ、すごく過保護でいつも僕と一緒にいた。それと、すごくかわいくて、将来いいお嫁さんになるんだろうなっていつも思ってた。 あ、僕のお嫁さんじゃないからね?
それで、一緒に適性を見ってもらったらレア属性の光が適正だった。光属性はすごく貴重な属性で彼女は神殿で修業することになった。
「もしかしたら、どこかにいるかな…」
そんな期待をしつつ神殿に着いた。
☆
「それでは、勇者パーティーの発表です!」
神殿前の広場ではちょうどメンバーが発表されるとこだった。イケメンな勇者、大人の雰囲気を醸し出す魔女、活発そうな顔と胸が大きい聖騎士、キリッとした男でも通りそうな剣豪…さすが勇者パーティー。全員が上級職だな。
「そして!最後のメンバーは!万民に癒しをもたらし!たとえ誰であろうと優しく接してくれる聖女!孤高の花とも言われる可憐な花の名前は…クロ!」
「え?」
そこに出てきたのは昔よく遊んでいたクロだった。
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