女性限定で真価を発揮する支援職は今日も無自覚で無双する。

そこらにいるウナギ

第1話 追放されました。

「おい雑用。お前ここから出てけ。」

「は?」


 夜、Aランクパーティー〈迅雷〉のシェアハウスでせっせとパーティーの夕飯を作っているとキッチンに来たリーダーの剣士に宣言された。


「は?じゃねえよ。ここから消えろ。」

「…理由はなに」

「てめえは【付与師】のはずだよなぁ。それなのに、ろくな付与は使えねえし剣もふれねぇ。ただのお荷物なんだよ。おめえにここに居る資格はもうねえよ。」


 僕…レインはCランクの冒険者だ。元々、このパーティーにいるランクではないが僕の能力の【付与師】のせいでこのパーティーに入った。この剣士の言ってることは正しい。でも…


「僕は言ったよね。君にはろくな付与は出来ないと。君はそれでもいいと言ってたよね。」

「ああ、言ったよ。女には効果がいいってのもな。」


 僕の職業はただの【付与師】ではない何故か男性は効果が薄く女性は効果が凄く高いのだ。たぶん、この剣士はいい雰囲気の他のパーティーメンバーとの仲を危惧して僕を追放しようとしているのだろう。言い忘れたが、このパーティーは男2人女3人の5人パーティーだ。僕が抜けるといわゆるハーレムパーティーになる。これもあって早く抜けてほしいのだろう。まあ、こいつが達成できるとは思えないけど。


「わかった。どうせ抵抗しても無駄だろうから抜ける。でも、彼女達にお別れくらいは言ってからね。」

「ダメだ。この後の夕食のときも隠せ。」


 はあ…そうだろうと思ったよ。後で、こっそりとプレゼントを置いておくか…


「わかった」


 そして、何事もなく夕飯をとった僕は、少し散歩して来ると言って町にプレゼントを買いに行った。


 ☆


「はあ…これからどうしようかなぁ…」


 彼女たちに渡すプレゼントを買った僕は帰りながらこれからのことを考えた。


「荷物はポーチに全部入るけど仕事どうしよう…」


 戦闘はできないし、力もあるわけじゃない。あるのは、たくさんの知識、料理と付与の技術だけだった。


「まあ、明日考えるか…」


 僕は荷物をもってこっそり【迅雷】を抜けた。そして、みんなが居ないか寝てるときに僕は魔法を付与したプレゼントを置いて僕は町から抜け出した。


「気に入ってくれると良いなぁ…」

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