第32話 ハルvsイヴ2
「お、おおおおお!!す、すごい戦いです!!」
(……走ったり飛んだり、激しく動き回るイケメンを仕事という大義名分で見られる、眼福眼福)
「どっちも頑張ってください!!!、いや、イヴさん頑張ってーーー」
(………どうせならイケメンのハル様に勝って欲しい………)
「依怙贔屓!!喧嘩売る気!!?!」
クリスの差別にどっかの人類を守る紅の汎用人型決戦兵器を駆るツンデレ美少女のようなキレ方をする俺。
「今度はこっちの番、
『
「なっっーー、まっず!!、ほっ、はっ、よっ!!」
「………だけどそれだけじゃ………躱せないよ……」
「ちっーー、『我操る、子竜の火種筒!!、
クリスに叫びながらもイヴへの警戒は解かずにいた………がしかし、イヴは攻撃をもらいながらも『
剣や槌、棍棒に戦斧、槍に鎌、矢に弾丸、多種多様、あらゆる武器が飛翔してくる、俺は横に走り途中、身を捻ったり、腰を落としたり、ジャンプしたりで幾らか避けるものの、全て避け切れるわけではないとイヴが忠告する。
余った武器達は土砂降りのように襲いかかってくる、俺の逃げ道を塞ぐ武器達、針の穴のように小さく、逃げ切らなければ大ダメージは必至、なんとしても避けなければならない。
逃げ道を塞がれる一瞬前に俺は『
「いってーー」
『………隙あり、
「ヤベッ!!」
俺が怯んだ隙に詠唱を省略する事で発動できる、出の早いスキルで追い立ててくるイヴ、無理やり加速したせいで俺の態勢は崩れている、ここでまた無理矢理『
(………さっき詠唱を邪魔されたことを鑑みて出の速いスキルを選択してきたイヴなら気付いててもおかしくない………もし読まれていたら王手まで詰められるかもしれねぇ………それに逃げてばかりいても拉致があかない………此処は………)
『我焼き貫く、子竜の火種弾!『
「………………!」
俺は火の粉の弾を目の前に迫り来る武器にぶっ放す、すると武器は簡単に砕け散り、物足りんと言わんばかりに奥に控えている武器達までも壊しながら進み、イヴを強襲する、彼女は驚愕しながらも回避する。
「隙ありだぜ!イヴ!!」
「ッッッッッ!?」
武器を破壊していく
「……クソッーー」
「ファーストアタックもらい!!」
彼女は堪らず手に持つ木刀で弾き飛ばす………注意を逸らしたにもかかわらず見事な反射神経で対応するのは天晴れ……だがそれが俺の狙いだ、木刀を振り切った隙だらけのイヴに木刀を叩きつける。
「ッッッーー」
防御も回避もできない彼女は木刀の直撃をくらい、背中から床に向けて吹っ飛ぶ、そのまま俺から離れるためにわざと転がっていくイヴ。
しかし、イヴはそのまま寝転がっている訳もなく、追撃される前に即座に立ち上がり態勢を立て直す。
「………なんで脆いってわかったの………?」
「へっーー俺が何回そのスキルで殴られたと思ってやがる」
詠唱を省略する事で発動は早くなる、だが
まぁだが鉄屑でも当たったら痛いし、当たった瞬間に砕けたとしても衝撃自体がなくなるわけじゃなく、攻撃の役目は果たせるからそこまで致命的な弱点ではない。
………イヴが敵じゃなくてほんとによかった。
「………
「お、お前それはずるいんじゃないかな………」
彼女が呟くと手に持つ木刀の茶色に塗装されていた刀身がどんどん黒く染まっていく。
明らかに俺の武器とは比べ物にならない硬さになってそうだ………
「…………スキルで強化………してるだけだから………ありでしょーー!!」
「どわぁっと!!」
………イヴの接近戦弱いというのは武器を出す前の話だ………武器を出してしまえば人間とは思えない馬力、アウトレンジとたいして変わらん不利を背負うことになる。
しかもこっちだけ木刀であっちは切れ味がなくなっただけの真剣みたいなものだ、下手に防御すると壊れる可能性大。
俺の意見なんか知らんと言わんばかりに木刀(?)で斬りかかってくるイヴ。
彼女の斬撃に型なんてあったもんじゃない、ただ圧倒的腕力でぶん回す………
(………だが今のお前はステータス下がってるからその乱暴な戦い方は………ッッッッッーー!!?!)
『………
彼女の攻撃を冷静に避け切り、無防備な状態のイヴにもう一撃打ち込もうとした、刹那、彼女の木刀から不可解な爆発がしたと思ったら振り切った木刀が運動量のベクトルに逆らって俺を襲ってくる、攻撃するつもりだった俺は避け切れず、当たってしまい吹っ飛ばされる。
「おいおい、そんなこともできるのか……」
「…………できないって言ったっけ?……」
彼女の木刀の刀身の後ろから小さい砲身が出ていて、そこから魔力を噴出、無理矢理切り返してきたってわけか………
…………どうやら手に持つ武器は強化できるだけでなく、自身の体のように扱うことができるみたいだな。
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