第13話 月下の誓い

女性二人に竜一匹という事で部屋一つだけになった、いやぁ〜美少女二人と川の字で寝れるなんて本当ドラゴンテイマー最高!!




「………とか思ってた時代が俺にもありました」



ワクワクしてたら受付で「ペットは表の飼育小屋でお願いします」と言われて豚箱にブチこまれた俺。



「………そりゃねぇぜ………」




「…………なにが………?」





「ああ、それがよ…………ーーってうわぁぁ!!?イヴ???!?」




「…………よっ………」





飼育小屋の藁で寒さを凌ぎ孤独を感じて呟く俺、独り言に疑問が飛んできて無意識に返事をするも途中で異変に気づく、イヴが隣に座っていた。





「な、なんだよ、なんか用でもあるのか?」




「………ハル………貴方の冒険者プレート……貸してくれない………?」



「良いけど、なにに使うんだよ?」




「…………貴方を今から死んだことにするの………」



「はぁ???!?な、なんでまたそんなことするんだよ!!」





「………そういうことにしないと………彼女……貴方を探しにどこまでもいくでしょ……?」






「だ、だったら俺がハル・セルリアンだって言えばーー」





「…………それは駄目、まだ彼女が勇者側の人間かもしれない可能性がある…………会って一日目…………そこまで信用できない」





「………じゃあ俺のことも信用してないのか?」





「同じ短い間柄でも…………貴方は………地の底から……助け出して………私に自由をくれた………だから私は貴方を信じる…………私の全部で貴方を助ける……だけど……その貴方が死ぬ確率が上がる事は容認できないの………」





俺が死ぬ様子でも想像してるのか今にも泣き出しそうに表情を歪めるイヴ。




仲間にすると言ったのに信用しきれない自分の弱さも嫌なのか、強く握りすぎた拳から血が流れ出てることに気づかない彼女。



ただの我儘だったら無視したが、俺の命を心配してこう言ってくれてる女の子の言葉を無碍にできるはずもない。




「…………わかったよ…………」




「……………ごめんね………」




バツの悪そうに顔を俯かせながら謝るイヴ、彼女の足元に水滴が何粒か落ちる、そんな彼女にため息を吐きながら言い聞かせる俺。






「…………はぁ〜わかってねぇな、こういう時は謝罪じゃなくて、ありがとうって感謝を伝えてくれた方が俺は嬉しいぜ」





「………フフフ……ありがと……………」





目から涙をこぼしながら彼女は笑った、せっかく彼女の意見を通したのに泣き顔なんて骨折り損のくたびれもうけ以外の何者でも無い。




彼女の笑顔を見ると俺も自然と笑みが溢れた。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







暫くすると宿屋からクリスが出てきた、この世の終わりのような暗い顔をしている。




「…………ハル…………」





飼育小屋の近くで空を見上げる彼女、そんな彼女を壁に捕まって肩を叩き指で頬を突く俺。




「えっーー?!?、あ、セルリちゃん」




「隙ありーー、なんつって…………寝れないのか??」




「…………はい…………」





「あんたの仲間が死んだって、聞いたんだろ?」





「…………セルリちゃんも知ってたんですね…」



彼女の無理矢理作った笑顔を見たら、自分がハル・セルリアンその人だと言いたいがイヴの言う通りクリスがアーロンの仲間だったとしたらという考えがぬぐいきれない。




「…………あ〜〜、元気出せよ………そうだ、俺が成長してデカくなったら背中に乗せてやる、そして出来ることなら雲を突き抜けて、あの月まで連れっててやるからさ」



「えっーー?………ふふふ………ありがとうございます、セルリちゃん、元気出ました」





彼女を慰めるため、脳内検索に引っかかった言葉を並べ立てる俺。



クリスは一瞬惚けた後、微笑をこぼしながら返事をする。




見る限りさっきのような無理な笑顔じゃ無いのでホッとする俺。



「そっか、良かった、元気が出たみたいで」




「…………そんな、まさか………ね」





「おいおい、俺が大きくなるの疑ってるか?」




「そういう事じゃ無いんですけど……フフ、そうですね、今のセルリちゃんからは想像もできませんね〜」




「なんだと!!、お前もし大きくなっても乗せてやんないぞ!!」





「ええ〜謝りますから乗せてくださいよ〜」




「…………乗りたいなら、謝罪じゃなくてちゃん呼びをやめてほしいかな………」





「………わかりましたよセルリ」





「改めてよろしくな、クリス!!」


女性二人に竜一匹という事で部屋一つだけになった、いやぁ〜美少女二人と川の字で寝れるなんて本当ドラゴンテイマー最高!!




「………とか思ってた時代が俺にもありました」



ワクワクしてたら受付で「ペットは表の飼育小屋でお願いします」と言われて豚箱にブチこまれた俺。



「………そりゃねぇぜ………」




「…………なにが………?」





「ああ、それがよ…………ーーってうわぁぁ!!?イヴ???!?」




「…………よっ………」





飼育小屋の藁で寒さを凌ぎ孤独を感じて呟く俺、独り言に疑問が飛んできて無意識に返事をするも途中で異変に気づく、イヴが隣に座っていた。





「な、なんだよ、なんか用でもあるのか?」




「………ハル………貴方の冒険者プレート……貸してくれない………?」



「良いけど、なにに使うんだよ?」




「…………貴方を今から死んだことにするの………」



「はぁ???!?な、なんでまたそんなことするんだよ!!」





「………そういうことにしないと………彼女……貴方を探しにどこまでもいくでしょ……?」






「だ、だったら俺がハル・セルリアンだって言えばーー」





「…………それは駄目、まだ彼女が勇者側の人間かもしれない可能性がある…………会って一日目…………そこまで信用できない」





「………じゃあ俺のことも信用してないのか?」





「同じ短い間柄でも…………貴方は………地の底から……助け出して………私に自由をくれた………だから私は貴方を信じる…………私の全部で貴方を助ける……だけど……その貴方が死ぬ確率が上がる事は容認できないの………」





俺が死ぬ様子でも想像してるのか今にも泣き出しそうに表情を歪めるイヴ。




仲間にすると言ったのに信用しきれない自分の弱さも嫌なのか、強く握りすぎた拳から血が流れ出てることに気づかない彼女。



ただの我儘だったら無視したが、俺の命を心配してこう言ってくれてる女の子の言葉を無碍にできるはずもない。




「…………わかったよ…………」




「……………ごめんね………」




バツの悪そうに顔を俯かせながら謝るイヴ、彼女の足元に水滴が何粒か落ちる、そんな彼女にため息を吐きながら言い聞かせる俺。






「…………はぁ〜わかってねぇな、こういう時は謝罪じゃなくて、ありがとうって感謝を伝えてくれた方が俺は嬉しいぜ」





「………フフフ……ありがと……………」





目から涙をこぼしながら彼女は笑った、せっかく彼女の意見を通したのに泣き顔なんて骨折り損のくたびれもうけ以外の何者でも無い。




彼女の笑顔を見ると俺も自然と笑みが溢れた。





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆







暫くすると宿屋からクリスが出てきた、この世の終わりのような暗い顔をしている。




「…………ハル…………」





飼育小屋の近くで空を見上げる彼女、そんな彼女を壁に捕まって肩を叩き指で頬を突く俺。




「えっーー?!?、あ、セルリちゃん」




「隙ありーー、なんつって…………寝れないのか??」




「…………はい…………」





「あんたの仲間が死んだって、聞いたんだろ?」





「…………セルリちゃんも知ってたんですね…」



彼女の無理矢理作った笑顔を見たら、自分がハル・セルリアンその人だと言いたいがイヴの言う通りクリスがアーロンの仲間だったとしたらという考えがぬぐいきれない。




「…………あ〜〜、元気出せよ………そうだ、俺が成長してデカくなったら背中に乗せてやる、そして出来ることなら雲を突き抜けて、あの月まで連れっててやるからさ」



「えっーー?………ふふふ………ありがとうございます、セルリちゃん、元気出ました」





彼女を慰めるため、脳内検索に引っかかった言葉を並べ立てる俺。



クリスは一瞬惚けた後、微笑をこぼしながら返事をする。




見る限りさっきのような無理な笑顔じゃ無いのでホッとする俺。



「そっか、良かった、元気が出たみたいで」




「…………そんな、まさか………ね」





「おいおい、俺が大きくなるの疑ってるか?」




「そういう事じゃ無いんですけど……フフ、そうですね、今のセルリちゃんからは想像もできませんね〜」




「なんだと!!、お前もし大きくなっても乗せてやんないぞ!!」





「ええ〜謝りますから乗せてくださいよ〜」




「…………乗りたいなら、謝罪じゃなくてちゃん呼びをやめてほしいかな………」





「………わかりましたよセルリ」





「改めてよろしくな、クリス!!」





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