第2話 皮肉な2人

「バンジージャンプ?」

俺は質問を無視された事以上に笹倉の発言が衝撃だったのでつい聞いてしまった。

「あれ?バンジージャンプ知らないですか?」


「いや、知ってるよ」


「ならいきましょうよ!」


「まず、俺の質問に答えろよ。」


「あ、そうでしたね!まず先輩2年生の学年1位じゃないですか!それで定期テストの結果を見て名前知りました!なんで私服かというと、バンジージャンプに行くためです!」


後半がおかしい気がする。


「学校は?」


「先輩と同じです!」


「サボりは良くないぞ。」


「先輩、特大ブーメランすぎて私投げれませんよ。」


「授業は大丈夫なのか?」


「はい私、先輩と同じ出来る子なので!」


話がズレた気がする。バンジージャンプの話だった。そうだった。


「バンジージャンプに行くのはいいが、なんで俺も誘うんだ?」


「先輩、私こう見えてかなりの方向音痴なんです!」


「誇れる事じゃないな!」


「結構、会場は山の中なので迷っちゃうかもしれないのでついてきて欲しいんですー!」


「予約とか大丈夫なのか?」


「元々、お父さんと行く予定だったんですけど仕事で行けなくなっちゃったので1人分の余りがあります!」


「お父さんもサボるの公認なんだな!?」


「学校にはバレるなよって言われました!」


結構自由な家庭らしい。でも、笹倉みたいに会社では結構真面目に働いてそうだな。


「バンジージャンプか·····」


「ねぇいきましょうよ!」


まぁ特にやることも無いしな。


「分かった。行くか。」


「やったー!!」


「じゃあパンフレット見せてくれ。」


「はいどうぞ!」


「何時の予約なんだ?」


「えっと2時です!」


「電車は·····おい·····これで合ってるよな?」


「·····そうですね。」


「·····15分後に出るって書いてあるが?」


「はい!間違ってないです!」


「間違ってるのは笹倉だよ!走れ!」


「あー待ってくださいよ!!!」


サボってるのにめちゃくちゃ走るのはなんだが皮肉に感じた。




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