ある朝のこと

洗濯機の中で、ショッキングピンクのものがやけに激しくぐるぐる回っているので、「何だっけ、あれ」と思って見ていると、それは〈怒り〉だった。


「ああ、怒りだなあ」と思って眺めていると、ショッキングピンクの怒りは、「なによ!哀れむような目で見ないでよ!!」とキイキイ言って更に激しくぐるぐる回ったが、やがて、地味な色のバスタオルや靴下に揉まれて沈んで行った。

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