交差点にて
いつもチビのことを気にかけてくれてありがとう。
なんだかずいぶん久しぶりのような気がするけれど、今日はあなたと二人きりでお出かけよ。
だからなんにも遠慮しないで、あなたの行きたい所へ行きましょうね。
あなたの好きなものを買って、あなたの食べたいものを食べましょうね。
今日はあなたが最優先。
今日はあなたとだけ、手をつなぐわ。
信号待ちをしながら私がそう言うと、助手席にちょこんと座って足をぶらぶらさせていた女の子は、前方の風景に目をやったまま、恥ずかしそうにちょっと笑った。
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