冥界民間軍事契約組織調整委員会(冥民調)

・ダッシ(42、68、74、96話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士。

 オールバックの髪形で口髭を蓄えた鎧姿の騎士風の男。

 冥界民間軍事契約組織調整委員会(冥民調めいみんちょう)の委員長で、派閥順送り人事で構成される運営委員の指導者層の一人。

 冥民調は、冥界に多く乱立するギルドや傭兵組織の利害を調整したり、共同で作戦を展開するための組織である。

 ダッシはワルキュリア・カンパニーのウィーナやヴィクトと同じ、委員会創生期のメンバーだがウィーナ達とは対立する派閥である。

 野心家で、かねてより冥王の絶対王政に反感を抱いており、民間の力で冥界を収めるという野心を抱いていた。ヘイト・スプリガンの暴走、それに合わせて勃発した冥界での悪霊の大量発生、反乱軍の決起など、一連の騒乱に乗じて宮殿を制圧し、冥界を牛耳ろうとしていた。

 反乱軍の決起の際は、表向きには冥民調は兵を出し、正規軍と共に悪霊退治や反乱軍の鎮圧に当たっていたが、裏では計画の実現のため、魔術師ギルドから超兵器「デストロイ・エッセンス砲」の徴収、政敵であるフンニュー副委員長の幽閉、ファウファーレを委員会幹部に抜擢しての「ウィーナ量産化計画」など、様々な策謀を巡らしていた。

 だが、ダッシを含めた運営委員のメンバーは結局のところ、ファウファーレの野望のためにそそのかされ、いいように転がされていただけであった。

 その後、ファウファーレがサクスを使ったウィーナ拉致作戦を失敗したことにより計画は破綻。結局はファウファーレが逆上して委員会の構成員を殺害してダッシらとは決裂する。

 ダッシ達もファウファーレを完全に見限り、彼女に全責任を押し付けて自分達は無関係の立場を貫こうとしたが、ウィーナの命令で冥民調の制圧にやって来たシュロンによって幽閉していたフンニューを奪還され、事の全ては露見してしまう。

 この期に及んでもダッシは全てファウファーレに脅されて仕方なくやったことだと見苦しく言い逃れをするが、シュロンは全てを不問にする代わりにオッカー・ネ・モッチーノ爆爵ばくしゃくの屋敷に逃げたファウファーレを捕えるために兵を差し向けるよう持ちかける。

 ダッシら運営委員はこの提案を蹴る勇気も気力もなく、保身の一心で即答し、構成員を差し向けた。

 いざとなったら怯えて保身に走るばかりで、壮大な野心に釣り合わない器の小ささ、小物ぶりは、レディコマンドーを悲憤させ、フンニュー副委員長を失望させた。

 実際のところ、彼自身は割と強いのだが、基本的に自分は指揮官で後ろにどっしり構えるべきだと思っており、自ら剣を取って戦うことはない。

 尚、フンニュー副委員長を幽閉したときに殺しはせず、自分達の理想に同調するか委員会を去るかを選ばせようとしたり、フンニューの口封じを暗に示唆したガプコンをたしなめるなど、政敵同士であるもののフンニューにはある程度の情は持っていたようである。

 また、裏で陰謀を巡らしていたものの、冥界の騒乱を鎮圧させようと構成員を動員して治安維持の指揮を取っていたのは事実であり、単純に小悪党と言い切ることのできない一面も持ち合わせている。


HP  200   MP 150  攻撃力  250  防御力  200  スピード  150

運動能力  150   魔力  250   魔法耐性 150   総合戦闘力  1500



・フンニュー(68、74、96話)


 獣人タイプの冥界人。冥民調の副委員長で、指導者層の一人である。太った中年の豚の獣人で汗っかき。

 運営委員の中では、ワルキュリア・カンパニー側の派閥に属しており、ウィーナやヴィクトの支援を行っていた。

 ヴィクトがリレー作戦で委員会に協力を求める際に頼った人物である。

 ファウファーレが偽造したヴィクトからの手紙に「霊鎧サリファを取ってきてほしい」と書いてあり、フンニューはそれを信用してバングルゼやファウファーレ達に、鎧を回収しに行くよう命じ、図らずもファウファーレの片棒を担ぐことになってしまった。

 事の真相に気が付いたときは時すでに遅しで、委員会の中枢に怒鳴り込んでダッシらの陰謀を糾弾したものの、敢え無く身柄を拘束されてしまった。

 その後、委員会を制圧しにやってきたシュロンによって助けられ、委員会の陰謀の全てをシュロンに伝えた。

 


・レディコマンドー(42、49、51、66、74、96話)


 冥界の住人であるヒューマンタイプの戦士。

 冥界民間軍事契約組織調整員会の専従委員。迷彩服姿で角刈りの、がっしりとした体格をした巨乳の中年女性。怒りに満ち溢れた顔つきはメスゴリラそのものである。

 化け物じみた強さを持つ冥民調最強の戦士にして切り札である。

 議長のダッシを差し置いて勝手に会議を終わらせてしまうあたり、委員会での発言力も強いと思われる。冥民調が冥王に代わって冥界の支配者になる計画に際し「邪魔者は一人残らず血祭りに上げろ!」と主張するなど、極めて過激な思想を持つ人物でもある。 

 ファウファーレからリークされた情報により、ワルキュリア・カンパニーの内通者であるチューリーを始末しに向かう。凄まじい戦闘力と格闘技術でチューリーを圧倒するが、同じくウィーナの部下であるジョブゼがチューリーの助けに現れ、そのままジョブゼと戦うことになる。

 ジョブゼは遥かに格下の相手のはずだが、相手の凄まじい戦闘への執念に押され苦戦を強いられる。そしてジョブゼの手斧の一撃で片腕を切断されて、捨て台詞を吐いて逃げ帰る。

 その後、シュロンが委員会を制圧しにやって来た際に、切断された腕を治療する条件で、ダッシ達中枢のいる会議室に案内した。

 そして潔く冥民調の負けを認め、見苦しく保身と言い訳に走るダッシに対して、自分達の罪を認めるよう一喝した。


HP 1800  MP 0  攻撃力 3200  防御力 1000  スピード 1990

運動能力 1730  魔力 0  魔法耐性 280   総合戦闘力 10000


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・シュート / カーブ / スライダー(80~81、96話)


 上記三名は冥民調親衛隊。ヒューマンタイプ。

 委員会最強の戦士・レディコマンドーの実の息子達にして、そっくりな顔立ちをした三つ子の兄弟である。

 シュートが長男で、カーブが次男、スライダーが三男。レディコマンドーの子供であるにも関わらず、揃いも揃って整った顔立ちをした美青年であり、よほど父親に似たのだと推測される。

 委員会の中でも最強の母親に次ぐ実力を持つ魔法騎士達で、シュートは「陽砕剣ようさいけん」、カーブは「夕砕剣ゆうさいけん」、スライダーは「月砕剣げっさいけん」という魔剣の使い手である。ファウファーレは彼らをワルキュリア・カンパニーの幹部従者と同等レベルの強さと推測していたが、実際はそれを上回る実力を一人一人が持っている。

 冥民調を裏切り、敵対関係になったファウファーレを始末するために、大勢の一般構成員や処刑人であるデブギルドのニック、果てはファウファーレの愛人兼パトロン達までも招待して彼女を包囲する。そして彼女が散々利用してきた男達の目の前で見世物にし、ファウファーレを精神的・肉体的に徹底的にいたぶり、凌辱の限りを尽くした挙句、その無残な亡骸を城下町の大通りの脇に流れる川に打ち捨てた。彼らの登場する話だけを見ると、彼らの行いが外道極まりないものに見えるが、ファウファーレ自身はもっと外道なことをしている点には留意すべきである。


(シュート)

HP 700  MP 400  攻撃力 800  防御力 550  スピード 550

運動能力 550  魔力 500  魔法耐性 450  総合戦闘力 4400


(カーブ)

HP 610  MP 700  攻撃力 370  防御力 370  スピード 500

運動能力 300  魔力 800  魔法耐性 700  総合戦闘力 4350


(スライダー)

HP 660  MP 200  攻撃力 500  防御力 800  スピード 700

運動能力 700  魔力 250  魔法耐性 540  総合戦闘力 4350



・ニック(81話)


 冥界の住人である亜人タイプの戦士。

 冥民調の構成員で、デブギルドという謎のギルドの所属。

 まるで山のように大きな、異常なまでの肥満体の男。スキンヘッドで、眉毛も無い。

 三つ子の親衛隊が、ファウファーレの公開処刑の執行人として連れてきた。俊敏な動けるデブであることに加え、まるでスライムのようにどんな攻撃も跳ね返す弾力のある脂肪を持ち、異様なまでのタフネスを誇る。総合的な戦闘能力自体はファウファーレにやや劣るレベルだが、ファウファーレが一連の戦闘で体力を消耗していたことと、槍も受け付けない脂肪や前もって体中に塗ってきた魔法を跳ね返す油などのお陰で、ニックの一方的優勢となった。

 更には毒対策も万全であり、ファウファーレの隠し武器である毒爪も通用せず、ファウファーレの心を完膚無きまでにへし折って凌辱の限りを尽くし、処刑人としての役割を全うした。


HP 800 MP 0  攻撃力 200  防御力 500  スピード 400

運動能力 150  魔力  0  魔法耐性 20   総合戦闘力 2070


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・ドーニンテン(42、74、96話)


 冥民調運営委員。派閥順送り制度によって任命されている常任委員である。冒険者ギルド所属。

 これ以降に紹介するキャラは、あからさまに投げやりなネーミングからも分かるように、ほぼモブキャラの、割とどうでもいい役どころである。

 当然、話を読む上で把握する必要は全くない。



・セーガ(42、74話)


 常任委員。シーフギルド所属。



・エニクス(42、74話)


 常任委員。魔術師ギルド所属。まんまなネーミングのメンバーの中でも輪をかけてそのまんまな名前。



・コナミー(42、74、96話)


 常任委員。冥界流剣術道場所属。



・ソーニ(42、74話)


 常任委員。悪霊退治組織所属。ウィーナと同業。



・ガプコン(42、74話)


 常任委員。何でも屋の店員。



・ウェアスク(42、74話)


 常任委員。諜報ギルド所属。地下新聞等のメディア関係に影響力を持つ。



・バンナム / ハードソン(74話)


 常任委員。



・らっきょ大臣(42、74話)


 常任委員。らっきょギルド所属。委員会の癒し系兼マスコットキャラ。



・ジェイク(79話)


 ファウファーレと空中戦を繰り広げた構成員の一人。ファウファーレに倒される。

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