#6 次なる舞台は?
「すげー綺麗だな〜」
やはり海というものは凄まじい。昔から万物の母と呼ばれるだけのことはある。
海をみていると、なんというか引き込まれそうになるのだ。
市野家の自家用ジェットに乗って、俺は家族と共に太平洋にある人工島へと向かっていた。日本本土から直線距離で1000km、大きさはおよそ半径5000mのこの人工島は、200年以上前から存在していて、うちのご先祖様もその開発に関わっていたらしい、知らんけど。かつては日本の軍事基地があったが、今ではただの観光施設となっている。
夏休みに入り、面倒な課題とはおさらばして毎年恒例のバカンスに向かっていたのだ。
「いやー平和ですなー」
「だめだよ、お兄ちゃん!お兄ちゃんがそんな事を言ったらまた事件に巻き込まれちゃうよ?」
「あはは、大丈夫だよ。俺は言霊なんて信じないし、俺を狙う存在なんていないだろ。」
実際、その通りである。まず第一の問題として、今は世界一頼りになる親父がいる。親父の前で不審な事などできるわけがないのだ。
次に、俺本人にそれほどの価値がない事が挙げられる。一応、市野財閥の財産のほとんどを相続してもらえる事になっているが、いつ親父がやっぱりやめた〜と言い出すかわからない。
おそらく俺が死んだら、可憐が継ぐ事になっていると思うが、可憐は俺より頭がキレるから可憐が相続すると逆に損をすると思う。だから馬鹿な俺に相続してもらった方がありがたいはずだ。
そんな、低い可能性の事を考えながら、俺は見えてきた島を眺めた。
「それにしても久しぶりだな、ここの料理は美味しいんだよな〜」
期待に胸を膨らませる。去年に行った時は、大量の鰻を食べた覚えがある。
それと苺大福、この2つは外せない。
だが、俺はこの時は気づいていなかった。今回の旅行が、いつもとはひと味違う事に・・・・・・
✳︎
「本当にやるのか?」
「当たり前だ、今更何を言っているんだよ。我々の野望のため、奴はこの世界には必要ないのだ。」
「しかし、市野結都はどうする。アレに動かれたら我々とて何もできなくなるぞ」
「俺たちの目標はその息子だ。安心しろ、今回の作戦にために色々な国が手伝ってくれるらしい・・・・・・」
「POGの連中か?」
「あぁ、地図を見てみればわかるだろ。日本列島から南の位置にあるあの人工島は、戦略的に見てPOGにとって邪魔でしかない。それにPOGは今戦争中だからな。」
「なるほど・・・・・・あわやくば占領してやろうという口か。」
「それもあるが、日本が誇る切り札である市野結都の力を測る事も目的の一つだろうよ。さぁ長話は終わりだ、全員持ち場につけ。」
「「「了解!」」」
集まっていた20名ほどの若者は、それぞれ担当する場所へと向かっていった。
1人残った火リーダーの男は、再び拳を握り締める。負けられない戦いが今始まろうとしていた。
「我々は失敗を恐れないのだ。」
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結人「こんにちは〜僕たちのお話がついに完結したからこっちに遊びに来ました〜」
咲夜「皆さまこんにちは、藁科咲夜です。」
結人「読んでみたけど、結構はちゃめちゃな感じだったよね、咲夜」
咲夜「そうですね、私もとても面白いお話だなって思いました。」
結人「特にどんなところがよかったの?」
咲夜「特にというと可憐さんの、結月さんに対する行動ですね。素晴らしい兄妹愛だと私も感心しました。私も今度真似してみようと思います。」
結人「そ、それは楽しみですね・・・・・・ではまたどこかで!」
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