#1 それから
このお話の短編verを投稿しました!是非読んでみて下さい!
(最近更新できていなかったのはそれのせい。)
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あの事件から1ヶ月が、過ぎた。
その間、特に何もない事はなく。平和に過ごしたいという願望は、現実のものとはならなかった。
海外遠征から帰って来た両親は、俺を見るなり抱きしめた、力強く。
感動よりも先に、痛みが来た。
日本を代表する能力者である父のまじハグは、殺人級だ。
よく生き残れたよな、俺。
これは落ち着いた頃に気づいたのだが、俺には事故の記憶がほとんどなかった。どうやら俺は、お間抜けにも爆発に吹き飛ばされて気を失っていたらしい。
そして、倒れて動かない俺を見つけた可憐(いつ出て来たんだよお前)によって救出された。
日々ストーカーやヤンデレに(同一人物)に悩まされている俺が彼女の発信機で助かったと思うと、日々のブラコン行動にも意味が・・・いやないわ。
100歩譲ってベッドに潜り込んでくるのは人肌恋しいのかなって思うけど、発信機はないわ。
まぁそんなこんなで、俺は日常を取り戻していなかった。(冒頭に戻る。)
今までの防衛ラインであった風呂が突破され、何故か水着を着ていれば風呂を一緒に入る事が許されるみたいなムードになっている。
幸い、うちの風呂は無駄にでかく、偶然当たっちゃったりはしない。
当てられはするが・・・
いや、ダメでしょ。色々ダメでしょ。相手は実の妹だぞ?!義妹でした〜の展開が来てもダメだろ。
果たしていつ俺は妹への教育を間違えたのだろうか。
✳︎
「おはよ、結月。相変わらず疲れた顔してんな。」
「あぁ、おはよ、光星。ほんと昨日も大変だったんだよ。」
どうやら俺とこいつは色々と通じているらしい。
「別にいいじゃねぇか、普通の男ならむしろご褒美じゃねぇか。」
「さすがだな、俺が何も言わなくても話の内容がわかるのか。」
「あぁ、お前が悩むといったらいい意味でも悪い意味でも妹のことだからな。」
「確かにそうかもな。」
普段使っているタブレット端末用のタッチペンでペン回しをしながら答える。
確かに俺が悩む事といえば妹の事か、妹の事か、妹の事だ。
あれ?
あれあれ?
いつも妹の事を考えている?
あれ?
もしかしてこれって・・・・・・
「それは恋ですよ、お兄ちゃん!」
「うわっ!びっくりした!って思考を読むなよ!ってか読めんのかよ!」
どこからともなく現れた可憐が正面に現れる。顔をぎりぎりまで近づけて、大はしゃぎだ。
そして光星、さりげなく遠ざかるな。
「顔に書いてありましたよ。」
「まじか。」
「そんな恋をしているお兄ちゃんに朗報です!なんとお兄ちゃんは・・・・・・両思い確定です!さぁ今すぐ告白しましょう!」
「いやいや、実の妹に告白ってアホだろ。」
「そんな事ありません!」
と言って、可憐は何処からともなく取り出した大量の小説を机の上に乗せる。
よく見ると全て妹ものの小説達だ。というかこんなに種類があるのか。
「今まさに、大妹時代!!!さぁお兄ちゃん、私達も流れになりましょう!」
「いやいやどっから取り出したんだよ、というかなんなんだよ。俺はシスコンじゃねぇぞ?」
「ふっふっふー、甘いですねお兄ちゃん。学校のアンケートで99%の人がお兄ちゃんはシスコンって答えてます!今ならシスコンって名乗っても変な目で見られません!」
そういっていつやったんだよって思う資料を見せてくる。それをみると確かに99%が俺の事をシスコンと認識してほしい。
断じて俺は違う。
「なおさらアウトだよ!というかいつそんなもんやったんだよ!」
「私を甘く見ない方がいいですよ、お兄ちゃん。」
「元からしっかり見てるよ。」
「え?お兄、ちゃん?」
「そんな恋に落ちたみたいな顔すんなよ。元から落ちてるだろ?」
「さっすが私のお兄ちゃん。私のことよくわかっている〜」
「伊達にお前のお兄ちゃんをやっているわけじゃねぇんだよ。」
「嬉しい!結婚しよ!」
「だからしないって!というかできないって!」
俺の日常は、崩れる事を知らない。
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※本作品は、現代ファンタジーです。
ラブコメもいつか書きたいな。
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