#9 才能の壁

更新のボタン押し忘れました。(すまん)


________________________________________


研修期間である1週間は直ぐに過ぎ去った。

我が妹は連日連勝一気に学校ランキング8位に登りつめる程だった。

何故7位以上になれないか、理由は単純でランダムマッチに参加する人がいなくなってしまったからだ。

ランキング3位のあの生徒会長が手も足も出ずに負けたのだ、進んで順位を落とす者などいない。

ランキング2位の桐生はあまり戦闘は好きではなく、学校主催の公式戦のみで順位をあげた感じで、ランキング1位の三谷みやつとむは名前の通りの真面目なやつでこいつも戦闘よりも勉強を優先する口だ。


というわけで我が妹は実質トップに位置している。

可憐と戦った人間が可哀想になって来るぐらい強い。ちなみに精神攻撃の類も発動する前に顔面に膝蹴りを放ったり、魔力でレジストしたりと一切の隙を見せていない。

また、可憐の能力もまだバレていない。ある程度予想はできるだろうが、両方当てるのはまず不可能だろう。


そんなわけで落ちこぼれである俺は順風満帆な生活を邪魔する能力の授業が行われた。

日本政府としては将来有望な能力者を育成して欲しいので異能力者の学校には必ずそのようなカリキュラムが組み込まれている。


俺は、1番の友人である光星と迎えあった。

もちろん、俺に友達がいない事を隠すために『1番の友達』という表現をした訳では無い。

既に知っていると思うが一応言っておく。


「何時でもいいぜ、シスコン。」


「ああ、やってやるぜ!そして俺はシスコンじゃねー!」


俺は自分の能力を使って奴の顔面に右ストレートを繰り出す。

人は憎たらしい奴の顔を思い浮かべながらやると威力が上がると聞くがその通りだとおもう。

俺は殴る瞬間に自分の拳に魔力を込める。


「『身体強化』」


「はっ!効かねーよ『バリア』!」


俺の能力は超絶単純にして最弱だ

理由は簡単で『身体強化』であれば魔力を使えば誰だってできる。

正確には魔力を力学的エネルギーに変換するというもの。

まぁどちらにせよ弱すぎる。

そもそも俺の魔力量はたったの10しかないんだから全魔力を注ぎ込んだとしても通常の1.1倍程度にしかならない。


つまり意味があまりないのだ。それでも幼少の頃から格闘技については日本でもトップクラスの実力をもつ父親から教えてもらったので、身を守るぐらいはできる訳だが・・・


俺の渾身の右ストレートは光星の能力である『バリア』によって防がれてしまう。

光星も魔力量が多ければ強力なのだが、1000程度しかないので直ぐにバリアを破られてしまう。

ちなみにこの学校の平均はおよそ5000程。そして我々Eクラスは3000程だ。

魔力量は能力をたくさん使ったり、魔力の操作の訓練をすれば基本的に上がる。

まぁ俺は昔から上がった事などない訳だが・・・


「いやー痛くも痒くも無かったぜ。もっと真面目に殴れよな。」


「なんだと?お前こそちょっとは攻撃してこいや。怖いのか?」


光星の『バリア』には大きな弱点がある。それは、自分以外の生物が範囲の内側にある時、バリアを発動出来ないのだ。

つまり、接近戦にめっぽう弱い。


俺との相性は最悪である。まぁ、相性最悪だとしても魔力で身体強化されたら手も足も出ない訳だが・・・


「言ったな?本気でやってやるよ。」


そういうとやつは案の定身体強化を使った。そしてそのまま俺に肉弾戦を仕掛ける。

腕を掴まれ、脚を払われた俺は簡単に地面に倒れる。


俺は、両手を広げるとその場で仰向けになった。


「いやー完敗だぜ、光星。やっぱり俺って才能無いな・・・」


「大丈夫だぞ、結月。お前には別の才能がちゃんとあるさ。」


光星は、俺が少し後ろ向きの言葉を言うといつも俺をフォローしてくれる優しいやつだ。


俺は光星に手を引かれ、立ち上がるともう一度能力を伸ばす練習をした。

ちなみに俺の魔力の回復力は異常に早い。

魔力を全て使いきったとしても、一瞬気が抜けると直ぐに全回復する。


まぁ役に立たない才能ではあるが・・・




________________________________________


メインの方を少し休もうと考えたけどこっちで投稿してたら意味無い件

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る