#6 生徒会長は少し異常
その後も我が妹は上級生相手に15連勝をし、学年ランキング1位、学校ランキングも2桁にくい込んだ。
俺はこの上機嫌な妹と帰路につく事になった。
「いや〜すっきりしました!最近お兄ちゃんが、構ってくれなくて寂しかったんですよ?」
「いや、知らねーよ。というか毎日のように俺のベッドに侵入してきているじゃねーか。」
「それはそれ。これはこれです!さてお兄ちゃん、今日のご飯は何がいいですか?え?私が食べたいんですか?仕方が無いですね〜エッチな下着を用意してお待ちしておりますね♡」
「んな事言ってねーよ、アホか。まぁそうだな、カレーでいいぞ。」
我が家では、朝食と昼食(弁当)は母親が作ってくれるが、夕食は可憐が作る事が多い。
なんでも、自分の料理を食べさせたい人がいるだとか。まぁ俺なんだが・・・
「私には聞こえます!お兄ちゃんの本音が・・・。お兄ちゃんは妹を欲しがっています・・・っは!もしやこれは、私達の子供という意味ですか?!気づきませんでた・・・では、今日は薬局に寄らなくて大丈夫なんですね。」
「んたな事、言ってねーよ。というか薬局になんか行かねーよ。アホな事言っていないでさっさと行くぞ!」
「はーい、お兄ちゃん!」
家にたどり着くと、俺は全力で家の中を逃げ回ったが、強力な能力をもつ可憐様から落ちこぼれである俺が逃げられるわけがなく、捕まってしまった。
なんとかお風呂だけは死守したが、それ以外の所は全てくっつかれてしまい。今日も結局一緒に寝るはめになってしまった。
仕方のないやつだ。
*
「さて、おはよう諸君。昨日に引き続き、今日も自習だ、では解散!」
「「「はい!!!」」」
やる気の全くない先生によって唐突に授業は終了した。というか始まってすらいない。
俺は昨日同様、さっさと帰ろうとする。が、これも昨日同様、我が校のランキング3位様に捕まってしまった。
「さて、市野君。昨日に引き続き、今日も断わるはずがありませんよね?」
「は、はい。行かせていただきます。」
「ふふふ、ありがとうございます。」
この女は、俺の手を掴むと学校から与えられた自分の部屋へ向かった。大きさは教室1つ分ほど。
入った途端鍵をかけられ、俺は監禁されてしまう。
「ねぇ、市野君。昨日はどうして私から逃げたのですか?私、何か悪い事しましたか?もしかして気に触る点でもありますか?直しますから教えて下さい。」
彼女の目からは光が消え、笑顔なのに笑っている気がしない。
いつもの弱々しい会長とはオーラが違う。
「い、いえ・・・特にないです。」
「それと最近、可憐さんと仲良くしすぎではありませんか?いくら妹とはいえ、妹に発情する男性はどうかとおもいますよ?」
「なら、赤の他人を自分の部屋に監禁する生徒会長様はどうなんだ?明らかにそっちの方が問題だろ?」
「監禁ではありません、事情聴取ですよ。さぁ白状して下さい。」
部屋にとじこめる事を監禁と呼ばずして何と呼ぶのだろうか。
「何を白状しろって言うんだよ。」
「昨日、妹さんと何をしたのかを・・・そして誰と寝たのかを・・・」
「ギグッ!!どうしてそれを!」
「私はあなたの事ならばなんでも知っているんですよ?ふふふ〜」
そんな魔女のような、いや魔女の笑みを浮かべ、ゆっくりと俺に近づいてくる。
俺は助けを呼ぶためポケットから携帯用端末を取り出すが、アンテナがたっていない。
どうやら、妨害電波があるようだ。
何かないのかと思って辺りを見回すが、ここにあるのは机と椅子と何かの書類、それと少し大きめの本が数冊・・・つまり何もない。
「や、やめろよ!く、来るな!」
っと、俺が諦めようとしたその時、凄まじい音とともに鍵のついたドアが吹き飛んだ。
「
その時俺は、不覚にも我が妹を天使と間違えた。
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読んでいただきありがとうございます。
前作『序列1位の最強魔法師に明日はあるのか』もよろしくお願いします!
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