#4 ランク戦

「私がこの落ちこぼれクラスの担任になった今野こんの あかねだ。よろしく頼む。まぁお前達も2年生だ、学校のルールなどはある程度把握しているから説明の必要はないだろ。去年と同じで机に山積みにされている教科書を受け取った者から解散だ。もう帰っていいぞ。そんじゃ!」


今野と名乗った先生は俺たちに背を向けると教室を出ていった。

1番最初に彼女が教室を出る。


神代学園では、学校のルールなどを学ぶため、入学から1週間は全部自主登校なのだ。

その間に各自で部活を決めたり、委員会を決めたり、『ランク戦』を行ったりする。


部活、委員会は自由参加制のお遊びのようなものだ。

もちろん俺も入っていない。


だが、『ランク戦』となると話は変わってくる。『ランク戦』というのはその名の通り、校内での自分の強さを指し示すもので、それに応じて様々な特典が貰えたりする。


トップ10に入ると、個人の部屋が貰えたり就職などで有利になったりする。

そのため、生徒の多くは『ランク戦』を何度もやりその実力を着々と伸ばしている。


ルールは簡単で、戦闘不能になるか気絶するまで戦い、殺さない限りなんでもありな少し危険なものだ。

ただし、『ランク戦』を行っていい場所は予め決まっており、私闘は固く禁じられている。


ポイントの変動は、ランクの平均が、


10位以内だと1000ポイント

10位以内だと100ポイント

50位以内だと50ポイント

100位以内だと10ポイント

それ以降は1ポイントとなっている。

また、それぞれは入学と同時に1人30ポイントを得る。


ちなみに俺の今のポイントは45ポイント。

学年順位は107位

学校ランキングは400位程だろう。


また、学校1位のポイントは約3000ポイントだ。




俺は、無言で席を立つと出口の方へ向かった。

もうやる事は無いからだ。


すると、面倒な人物に捕まった。


「ちょっと、市野君?ついてきてくれる?」


そう言ったのは、桐生きりゅう 葵衣あおい

長く伸ばした黒髪と真っ黒の目、美しい美貌を放っているがその美しさ騙されては行けない。


彼女は大の男嫌いなのだ。

これまで半殺しにしてきた男は数多く、目をつけたら終わりだ。


正直、ランクは学年1位、学校ランキング2位に位置する彼女にちょっかいをかける方がバカだと思う。

だと言うのに彼女は何故かモテる。

学校の7不思議に登録できるほど謎だ。


絡まれたら最後、聞かなかった事にして俺は素通りする。が、そんな思い通りに事が運ぶはずもなく・・・


「ちょ、ちょっと待ってよ。」


「なんだよ、俺は今早く帰らなきゃ死ぬ病気にかかっているから後にしてくれ。」


「ちょ、ちょっと~」


「じゃあな。」


それだけ言うと、俺はさっさと家に帰ろうとしたが、最後の絶対に逃げられない相手に捕まってしまう。


「お兄ちゃん、どこに行く予定ですか?」


冷たい全てを凍らす声が聞こえる。

ポタリポタリと夏なのにも関わらず冷や汗がたれる。


「いや、その~」


「あ!もしかして私のもとに来て下さろうとしていたのですか?えへへへ・・・ありがとうございます、お兄ちゃん♡では早速校舎を案内して下さい!」


「あ、うん・・・」


妹に対して全く逆らえない結月であった。



________________________________


更新遅れてすみません・・・


メインの「序列1位の最強魔法師に明日はあるのか」に時間を取られてしまったからです。すみません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る