#1 普通とは言えない家庭
ん〜・・・
何かがベット中。否、パジャマの中に潜り込んでいる気がする。
嫌な予感がして飛び起きると予想通りの人物がしがみついている。
「おい、可憐起きろ〜」
同じ兄妹とは思えない美貌を放つ少女は俺の妹、
こいつを一言で表現するならば”才能の塊”
勉強から運動まで何から何まで完璧の一言につきる。
それはもちろん
1つ下の妹は中学の時の校内ランキングは毎年1位だった。
兄としては誇らしい限りだ。
欠点をあげるとしたら、人見知りな所と未だに兄離れが出来ていないところだ。
え?俺の実力はって?そんなの語るまでもないだろう。兄弟だせ?そりゃもちろん・・・
学年ランキングは150人中107位。
結構できるなって思った?
実はこれにはカラクリがある。
この数字は残念ながら全体順位だ。
俺の所属する戦闘科の順位は90人中89位だ。
っと、この可愛さに騙されてはいけない。
もう7時だ。8時には出ないと間に合わない。
肩を掴んで揺すって起こそうとする。
「ん〜?お兄ちゃん・・・も〜朝?」
「あぁ早く起きろ。もう7時だ。」
「は〜い、お兄ちゃん!」
可愛くて返事をすると瞳を閉じた。
「おい、何寝ようとしてんだ。」
「あと5分お兄ちゃん成分を注入されて〜」
さらに激しく締め付けてくる。
普段ならここでこの可愛い生き物をなでなでするが、今日は時間が無い上に新学期の初日。妹の入学式だからだ。
「起きろ!今日はお前の晴れ舞台だろ?流石に今日は遅刻出来ない!」
「分かりました、お兄ちゃん」
可憐はベットから起きると自分の部屋にと戻って行った。
俺も制服に着替えて1階に降りるといつもの光景を目にした。
俺の両親が抱き合いながらキスをしているのだ。
昨日の夜も少し声が聞こえたし、お楽しみだったようだ。
35歳にもなって何してんだよと言いたくなる。俺は今年17歳になるという事で接して欲しい。いわゆるできちゃった婚だ。
父の結都と、母の咲耶はとても仲が良く、仲のいい夫婦選手権があれば新婚の夫婦にも負けないだろう。
だけどその前にその光景を毎日見せられる息子の気持ちにもなってほしい。
なんというか微妙な気持ちになる。
「おはよう、我が息子」
「おはようございます、結月」
「おはよう、父さん、母さん」
こちらに気が付いた両親は笑顔で声をかける。
俺も「おはよう」と返して食卓に座る。
すると、着替えを終えた妹がゆっくりと降りて来た。
「おはようございます、お母様、お父様そして、お兄ちゃん」
短くまとめた茶髪に制服がとても似合っている。
「お兄ちゃんどうですか?」
「うん、よく似合っているよ。思わず見惚れちゃった。」
「えへへ〜ありがとうございます、お兄ちゃん」
「ははは~相変わらず、仲がいいなお前らは。」
「それは当然です、お兄ちゃん。私たちは来年、結婚しますので!」
飛びっきりの笑顔で椅子に座る俺に後ろから抱きついてきた。
とてもいいにおいがする。
「いやいや、兄妹だろ?俺たち。」
「おお、いいぞ!父さん応援するぞ。」
「あらあら、困っちゃうわね~政府に兄弟婚を認めて貰いましょうか?」
「ちょっと父さんも母さんも悪ノリしない。」
まったくこの二人は仕方のない人達だ。俺たちは正真正銘の兄妹、実は義理でした~なんて展開はない。
家族4人で朝食をとり、俺が通う神代異能学園に向かった。
ちなみに、俺の部屋は鍵が掛かっており、夜は花蓮とは別々の部屋で寝ている。
つまりそういうことだ。
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週に1、2本ほど投稿しようと思います!
前作『序列1位の最強魔法師に明日はあるのか』もよろしくお願いします!
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