第3話 ギルド登録

「シンお待たせ〜」


思った通りだ!


風呂に入りちゃんとした服を着たティアは間違いなくとびきりの美少女であった。


こんな美少女は以前働いていた城でも見たことない。


「やはり俺の目に狂いはなかったな!」


「なに訳分からないこと言ってるのよ」


さてさて本題のギルド登録と行きますか。





ギルドに向かっているが、道行く人の視線はどこか生まれ変わったティアに見惚れている気がする。


「そういえばシン、この服の代金はどうしたかいい?」


「気にするな!仲間になってくれたお礼だ!」


「シンありがとう!!」


美少女に面と向かってお礼を言われると少し照れるな。





ギルドに到着したが、ティアはどこか不安そうな様子だ。


「ギルドの中に入るのは初めてだわ」


「やれやれ、これだからティアは…ここは俺に任せておけ!」


「いやシンも一回しか来たことないでしょ!」


中に入り、本日2度目の受付へと向かうと、先程のお姉さんがいた。


「先程はどうも、仲間を連れてきましたよ」


「こんにちは…って、あなたさっきのコーヒー臭いニートボッチの人⁉︎」


「めちゃくちゃ失礼な人だな…」


「あっ、ごめんなさい…あまりにさっきと装いが違うから…それにすごい美少女も隣に連れてるし…」


やはり可愛いは正義だな。


「まあ、そういうことだから、とりあえず俺たち2人でパーティーを組むから登録を頼んでもいいかな?」


「かしこまりました」


お姉さんはテキパキと仕事をこなし、あっという間に登録は完了した。


「あとは住まいと仕事ですね」


「住まいはできるだけ安く頼む、仕事は一応聞いておくが清掃業はあるかな…」


「住まいはなんとかできそうですが…清掃業の仕事はほとんど需要がなく厳しいと思いますよ」


お姉さんは困り顔で話す。


「でしょうね…ちなみに他の職業でお金がいいのは何があります?」


「やっぱり冒険者としてクエストを行うのが1番稼ぎはいいと思いますよ」


「はぁ、やっぱり報酬重視だとそうなるのか…ティアはどう思う?」


「私は掃除嫌いだからクエストでいいと思うわ!」


「さらっと掃除をディスってるんじゃねーよ!」


俺たちのやり取りを見てお姉さんは苦笑いを浮かべている。


「ちなみにクエストだとどんなものがありますか?」


「いろいろですね、あなた達みたいな駆け出しなら…このゴミ屋敷の調査なんかはどうでしょうか?」


お姉さんは俺たちにクエストの紙を渡してきた。


「なになに…難易度☆☆のパイソン討伐。街の一角にあるゴミ屋敷にモンスターの気配がある。屋敷内を散策してモンスターを討伐せよか…モンスター討伐なんて冒険者らしくておもしろそうだな!」


「大丈夫なのシンっ⁉︎最初は採取クエストなんかの方がよくない⁉︎」


「まあ試しにやってみようぜ!」


「かしこまりました!ではクエスト受注といたしますね!」


よしっ!


自信満々で歩く俺の横をティアが不安そうなに付いてくる。


「ねえシン、本当に大丈夫なの⁉︎私何も魔法とか使えないのよ!」


「気にすんなよ!俺がなんとかしてやるから!」


「元清掃員とは思えない頼もしさね…」


さてと…これから俺たちの冒険者としての新生活が始まるんだっ!





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