漫才 名探偵コナン
ジャンボ尾崎手配犯
第1話
A「最近、『名探偵コナン』を読んでるですよね」
B「あー、俺の知り合いの女の子も毎年映画観に行ってるよ。やっぱ面白いんだ?」
A「いや、完全犯罪の参考に」
B「全部解決してるじゃん! それに、漫画のトリックを現実で再現するのは無理でしょ」
A「いや、一つだけできるのがあるんですよ」
B「えー、本当に?」」
A「まず、高さ10メートルの部屋があるとします」
B「いきなり、結構な条件がついたな。10メートルってマンションの3階ぐらいだろ。どんだけ天井の高い部屋なんだよ」
A「でも、その天井の梁で人が首をつってたら、かなりのミステリーじゃないすか?」
B「まあ、普通は届かないからね。じゃあ、それを今から説明してくれるわけ?」
A「残念ながら、ここから先は有料になります」
B「いいから、さっさと言えよ。ここが殺人の現場になるぞ」
A「わかった。わかった。で、その部屋の隙間をガムテープで目張りするわけ」
B「うん」
A「さらに、部屋の中にはゴムボートがあるのよ」
B「ゴムボート?」
A「そう。そしてゴムボートに和尚を乗せるじゃん」
B「いや、和尚どっから出てきたんだよ」
A「事件の被害者だろ」
B「なんで俺が知っている体なんだよ」
A「『名探偵コナン』の11巻ぐらい読んどけよ」
B「そんな中途半端なところから読むやついないわ。『こち亀』の読み方だろそれ」
A「『こち亀』が面白いのは50巻~100巻までだろ!」
B「変なこだわりをみせんなよ。『こち亀』はいいから、続きを教えてくれよ」
A「それで、和尚をゴムボートに乗せるじゃん。で、部屋の近くに滝があるのよ。その滝の水を簀子を使って部屋の中に流し込むわけ。すると、部屋の水かさがどんどん増していって、ゴムボートに乗っている和尚が天井に到達するのよ。そしたら、和尚の首をロープで梁に吊すことができるじゃん」
B「いや、今の説明聞いて誰が納得できるんだよ。第一、そのままだと部屋がプールになったままじゃねえか」
A「だから、部屋には天窓があるから、そこから脱出するわけじゃん。そうしたら下に戻って、小窓に斧で亀裂を入れるのよ。すると、9.8×10⁴Paの圧力で小窓が吹っ飛んで水がそこから一瞬で抜けていくだろ」
B「だろ、じゃねえよ。さっきから初耳の情報が出すぎだろ」
A「パスカルなら物理でならっただろ!」
B「そこじゃねえよ! それ以前に説明が下手すぎるんだろ。っていうか条件が特殊すぎてどこが再現できるんだよ。もっとましな事件あっただろ」
A「そういえば、コナンって結構変な事件あるんですよね」
B「例えば?」
A「一番有名なのはシャイン事件」
B「シャイン事件?」
A「大怪我したアメリカ人が看病してくれた女の子に『Shine』って書いた紙を渡したたら、それをローマ字の『死ね』だと思って女の子が自殺した事件」
B「いや、勘違いってレベルじゃないだろ。何が起きたらそうなるんだよ」
A「これは映画の話なんですけど、犯行に閃光手榴弾が使われたことがあって」
B「閃光手榴弾なんてなかなか手に入らなさそうですけどね」
A「映画でも『犯人はどこでこれを手に入れたんだ』って話になったんですよ」
B「まあ、そうなるわな」
A「警察の出した結論が、『今は何でも手に入る世の中だから』」
B「いや、一番出しちゃいけない結論だろ、それ。警察が捜査放棄してんじゃん。いくらなんでもぼんくらすぎるだろ」
A「あと、僕が最近唱えているのが、『コナンを書き始めた頃の青山剛昌、女に振られてた説』」
B「なんの根拠を持ってそんな失礼なことを唱えてるんだよ」
A「いや、初期のコナンを読むと、結構女の人がひどい目にあってるんですよ」
B「本当かよ?」
A「まず第一巻では、ジェットコースターに乗った女の人が、ピアノ線で首をふっとばされてるんですよ。しかもジェット噴射かってぐらい血の量が半端なくて」
B「それはえぐいな」
A「あとは、アイドルに恨みをもった男が、彼女に罪を着せようと、他殺に見せかけて自殺するんですけど、その方法がまたえげつなくて。氷の真ん中に穴を開けてそこに包丁の柄を差し込むんですよ。そうすると、先端が上を向くから、それを床にセットして、椅子の上からその上にダイブするっていう。すると、時間が経つと氷が溶けるから、あたかも誰かに刺されたかのように見えるっていうトリックなんですけど、
ある種の怨念を持っていないとこんな発想生まれないと思うんですよね」
B「話聞いてるうちに怖くなってきたわ」
A「一番の極めつけは、『あの雌豚の首をちょん切ってやったんだよ!』って、みんなの前で泣きながら自白した犯人ですね。少年誌で『雌豚』なんてワード、なかなか聞かないと思うですよ」
B「コナンって結構やばい漫画だったんだな」
A「しかもこの事件トリックも猟奇的で、洋服の下に雌豚の首を隠して運んでたんですよ」
B「お前まで『雌豚』を使うなよ!」
漫才 名探偵コナン ジャンボ尾崎手配犯 @hayasiya7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます