ただランドリー行って帰ってくるだけ

夕方は、とても涼しい

昼が嘘のように静まり

だいだいの街灯が

とん、とん、と続いている

洗濯物を入れた百均の袋

必要な硬貨だけ持って

徒歩一分以内のコインランドリー


この一分で出会う人は貴重だ


日、ランドリーへの道筋で

学生がランニングをしていた

黒いマスクにジャージ

幼い顔から学生と思われる

その子が走り、T路地を前にしてUターンをする

私の脇を通り抜け、後ろに去って行った


この辺は自転車乗りが多い

老若男女、乗っている

今日は男子小学生が信号機の先にある

ローソンへ向かっていった

続いてお母さんが子どもを乗せて帰宅模様


後、ランドリーに着く前に飲み物を買う

いつも午後の紅茶ミルクティを買い

パーカーのポケットに入れる

そしてドラム式の洗濯機に洗い物を入れる

時間を指定してお金を入れて

備え付けの椅子に座り待つ

ポケットから午後ティを出し

スマフォを弄りながらしばし待つ

の、だけれど美味しくて

一本目は、すぐに飲み終わってしまう

また買いに行って戻る


ここまでくると喉の渇きも失せて

ただただ洗濯が終わるのを待つ

日が暮れて、出入り口からそよぐ風が気持ちいい

三十分丁度にピーッと洗濯機が鳴り

『ドラム洗浄が終わりました。お取り忘れのないようにご注意下さい』

の、アナウンス

私は立ち上がって備え付けのカートを持っていく

さて次は乾燥機に入れないといけない


もうここからは同じ

乾燥機に入れて、時間を潰して、終われば無造作に袋に入れる

日の暮れた道を歩いて、すれ違う人を見ながら

徒歩一分の帰宅

ああ、午後ティは乾燥が終わる前に飲み干してしまう

ゴミを持って帰ってもしかたないし

一仕事終えると気持ちがいい


部屋に戻り、カラッカラの布たちをベッドの上にばらまいた

タオル、ズボン、カバー、靴下、下着に分けていく

それぞれ畳んで所定の場所に入れて


終わり

洗濯代、九百円

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