怖い話をしましょう

実は幽霊なんです

教室の窓側、一番後ろの角に住んでます

ぼんやりとしながら起きます

だいたいは人の声がした時

幽霊でも夜は寝るんです

人だった頃の思い出でしょうか

ガラリと扉が開けられて

「いっちばーん」という声で起きます

いつも同じ子です

いつも嬉しそうなので私も嬉しい

人が増えていくのを見ながら

予鈴を待ち、机はないけれど

号令があれば幽霊の私も頭を下げます

だって、私もクラスの一員ですから

座る席はなく立ったまま

じっと授業を見ます

体育の時は誰かに憑いていきます

疲れさせちゃうけど

私もクラスの一員なので

体育着は持ってませんので制服のまま

隅や先生の近くに陣取ります

終わったら憑いて

ポジションについて授業を受けます

選択授業は難しくて

この部屋の授業を一緒に受けます

一日立ったまま

幽霊は疲れません

みんなの背中を見ながら

一日を過ごし、帰りのチャイムと

放課後の雑談を見終え

日が沈み 誰もいない

真っ暗になっていく教室で目をつむり

明日を迎えます

あと『自称』幽霊が見えるちゃん

と 呼ばれている子に伝えたい

幽霊の私は確かにいるので

怖がらないでください ね

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