#3 カントリーロード
「......それで、お前は何でわざわざこんなとこに来てまで盗みなんかしてたんだよ」
「......家を抜け出してきたのじゃ。そしたら人攫いに捕まって、自力で抜け出したは良い物の、何処かも分からん場所にいた。それがここじゃ」
「お前家抜け出した癖によくもまぁ図々しく故郷が一番安全だなんて言えたな」
「喧しいな......」
2人は馬車に揺られながら言葉を交わす。
「もうすぐ森を抜ける。追手もこんな早く馬車を用意しただなんて思わないだろうな。一度町に入ることになるから、何か買っていこう。......偶々、馬車ン中に金が置かれてたからな」
「素直にあやつが金を用意してくれたと言えんのか?」
「喧しいな......」
ーーーーーーーーーー
森を抜け、そのまま王都と比較すれば小さい町に入っていく。
「ここはまだ追手が来てないみたいだな。よし、ここは分かれて速攻で色々調達しようぜ。半分やるから、食糧とか頼む。ここで集合な」
「承知した」
2手に分かれて買い物をすることに。アダムスキーは着替えだの馬の餌だの毛布だの何だのを買い揃えて元いた場所に戻った。
ーーーーーーーーーー
オロカはみすぼらしい風貌をした灰色の髪の少女を連れてやってきた。
「......オイ、説明しろ。まさかとは思うがソイツが食糧だなんて言うんじゃあねェだろうな」
「だ、だって......可哀想じゃったから」
「頭湧いてんのか!?俺は食糧を買えと言った!間違いなくそう言ったよなァ!?何で奴隷を引き連れてのこのこやって来てんだァーーーーーーーッ!!」
「安かったんじゃああああ!」
「当たり前だ!奴隷は男の方が価値があるからなァ!テメェは成人した男の奴隷でも同じことをしたのかァ!?」
「あ、あの......」
「お金に困っているなら......何とかして......稼いできます......」
「......、ハァ〜ッ。君、名前は?」
「ホーコ......です」
一行の予定は大幅に狂うこととなった。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます