黒い剣のノクターン

イオリ

第1話 騎士名簿

【王立騎士団】

 王国テネーレにある、王家直属の騎士団。トップの役職名は「総轄長そうかつちょう」と呼ぶ。


総轄長

◆セラフィナ・シックザール◆

 テネーレとその周辺地域では珍しい黒髪と黒の瞳。ちまたでは『天使』と呼ばれている修道女。そろそろ19歳を迎える。

 王都の大聖堂でのほほんと修道女生活を営んでいたところ、大人の事情により、騎士団の最高職・総轄長として強制スカウトされる。

 神の花嫁として育てられ、養親もおじいちゃんな聖職者たちだったため世間知らずの気があり、こと異性に対する免疫が絶望的に皆無。でも頑張る。

 捨て子であり、赤子の頃から大聖堂の中で慈しまれながら閉鎖的に成長したので、外の世界をまったくと言って良いほど知らない。それでも頑張る。

 フロレンスの頭痛と胃痛の元凶。


補佐官

◆フロレンス・ヨナ・チェスティエ◆

 有力貴族・チェスティエ侯爵家の次男坊にして当主の弟。金茶の髪と茶褐色の瞳。26歳。

 左目を負傷しており、眼帯を当てている。加えて、それを隠すようにして左半分の前髪を少し長めに伸ばしている。

 セラフィナの補佐官……のはずが、いつしか彼女のおかんへと変貌した。上品で優しげなお坊ちゃん、という出で立ちな反面、なんとなく腹黒い。剣豪。


第一騎士団長

◆イグナーツ・ブルーハ◆

 浅黒い肌に色素の濃い金の長髪。藍色の瞳。目つきが悪い荒くれ者。

 第一騎士団の団長。王立騎士団の中では最も筋肉質な体格。24歳。

 部外者たるセラフィナが総轄長に就任することに率先して反対し、何かときつい物言いで当たるも、当の本人には響いていない様子。

 なんだかんだで面倒見は良い。第一騎士団の兄貴分。


第二騎士団長

◆ディナダン・オルオフ◆

 肩にギリギリかかるか、かからないかの微妙なラインで切り揃えた砂色の髪。翡翠の瞳。24歳。

 色気漂う、一級の彫刻品と見紛うばかりの端整な顔立ちが人目を惹く。それを自覚しているため結構な遊び人でかつ、女癖も悪い。王立騎士団きっての美青年。

 従前の総轄長とは折り合いが悪く、恋愛遍歴が華々しいこともあって、上2人とは異なり、セラフィナをかなり歓迎している模様。




【啓明騎士協会】

 後半よりのっそり参戦。志や礼節等の違いから、王立騎士団とは海よりも深い確執のある騎士修道会。

 教皇がおわす王国テネーレの礼拝塔及び巡礼者の防護、信仰の布教や異端の排除を目的として創設された。

 上層部 (別名:啓明レンジャー) がなぜか美形揃い。


総長

◆ラファイエット・エステルライヒ◆

 ふわふわと緩く波打つ白っぽい金髪、菫色の瞳。一見、騎士という職業とは無縁そうな優形の若者。啓明騎士協会総長。23歳。

 セラフィナと面識があるらしく、彼女に執着する。破戒僧な気がしないでもない。

 ディナダンとは対照的な、まさしく白馬の王子様といった風情の正統派な美貌に恵まれているも、しょせん見た目だけ説有。


副長

◆ローエングリン・ティンタジェル◆

 毛先がくるくると巻いた栗色の髪。肩よりも長く伸ばしている。鋭い灰青の瞳。啓明騎士協会の副長。21歳。

 一瞬、美少女かと行き交う人々を振り返らせるほどの容姿であるも、寄らば斬ると言わんばかりの硬派で冷たい空気も持ち合わせており、すぐに男性と判断がつく。

 元はどこかの貴族の出身であったが、信仰の道に生きることを決めたと同時に家名を捨てる。本名はローエングリン・ティンタジェル・エシェバッハ。長い。


パラディン

◆イリス・ノーディン◆

 クセも色素も強い金髪の巻き毛。いたずらっぽく光る、澄んだ蒼の瞳。啓明騎士協会一の美青年。20歳。

 ラファイエットをおちょくることを生き甲斐とし、ローエングリンとタッグを組んで弄くり倒すのもしばしば。啓明レンジャーの一員。


パラディン

◆ルテニア・シュテルネス◆

 長い銀髪を頭の片側で三つ編みにまとめている。明るい緑の瞳。特筆すべき点は、全長2メートルありそうな高い身長。19歳。物柔らかな態度が女の子っぽい。啓明レンジャーの一員。


パラディン

◆セリニ・メイアルーア◆

 胡桃色の髪とハシバミ色の瞳。特に胸に肉感のあるプロポーション抜群な美女。25歳。

 啓明騎士協会の紅一点かつ、屈指の怪力を誇る。女人禁制の騎士修道会になぜ彼女がいるのかというと、ここに入りたくてたまらず男装し、性別詐称で入会を認められたものの後日バレ、追放されそうになったところ、「もし自分を追い出したらお前ら全員に乱暴されたって信者たちに嘘ぶっこいてやる!!」と脅して上の決定を覆させたという裏事情があったとかなかったとか。

 たぶん啓明騎士協会中、最強。

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