10話
クルツホルムに到着し、情報収集で手に入るすべての情報を得られたものの、パーティーは全く回復していませんでした。
そのため、1度宿屋に入り、休息を取ることになります。
ディレウス:「このギルドって宿まで一緒なのかよ、そりゃデカいわけだ」
パーチア:「平原でも森林でも地図の距離的に日が暮れたころに出発すればちょうど朝くらいには着くだろ」
ルメス:「どっちにするよ?」
キルシュ:「ここはパルアケ方面への道になる森林ルートを通るのはどうでしょう?平原を通ればイーサミエという街がありますが、ここには今のところ用がありません」
パーチア:「了解だ、それじゃ、日没まで休憩、その後出発、2日目の日の出までには森林にたどり着くぞ」
※デモンズラインでは1日を昼、夜と2ターンに分けて行動します。
今回では1日のうち昼か夜のどちらかに休息を取れてさえいればOKで、どちらも取れなかった場合のみ睡眠不足によるペナルティがかかり、日が変わったことによる回復を受けられなくなります。
(例えば1日目の昼と2日目の夜に睡眠をとってもペナルティは2日ともなし)
ただし、日が変わったことによるHPとMP回復は、例え昼だけ休息を取ったとしても夜から昼に代わるタイミングで行われます。
宿代は1人30G。
1日目の昼は全員宿を取り、休息を取ります。
そして1日目の夜。
HPとMPはまだ回復していませんが、十分な休息を取り、2日目の昼になった時点で全回復することができます。
パーチア:「よう。ゆっくり休めたか?次の日の朝までぶっ通しで行軍する準備は?」と誰よりも早く1階の酒場で出迎え
キルシュ:「おはようございます。……おはようございます?まあ、おかげさまで」すっかり暗くなった窓を見て
ルメス:「おそようございますだな」
ディレウス:あくびしてから「それに比べてパーチアのお早いことで」
パーチア:「神官戦士が寝坊なんて笑いものだぜ」
キルシュ:「それで、早速出発するのですね?」
パーチア:「その前に何か話があるんだとよ」ギルドマスターを指さす
ギルドマスターはパーチアに指さされて頷くと、4本の赤いリボンと、羽ペン、インク瓶を机に並べました。
ディレウス:「なんだよこれ、俺には似合わねえぞ」
ルメス:「マジックアイテム、ってわけでもなさそうだよな。ただの細い布だ」
ギルドマスター:「ただの飾りじゃない。君たちも立派な冒険者パーティーとして登録するにあたってだ。このリボンに君たちのパーティー名を刻んでどこでもいいから結んで欲しい」
パーチア:「何の意味があるんだろうな」
ギルドマスター:「君たちの存在を知らしめるためだ。偉業を成し遂げたのは無名のよくわからないパーティー、って答えたくはないからね」
ギルドマスター:「それに、あっては欲しくないが、もし君たちが力尽きて、誰かに見つけてもらった時の身分証にもなるはずだ」
キルシュ:「つまり、ここの冒険者ギルド流のオシャレなドッグタグ、とでも思えばいいんですね。私は好きですよ、そういうの」
ディレウス:「で、名前を決めろってわけか。最強ドラゴンパーティー、とかか?」
ルメス:「無敵の旅人!とかどうよ」
パーチア:「2人ともネーミングセンス皆無かよ。とはいってもアタシもこういうのは思いつかない。キルシュ、何かないか?」
キルシュ:「そうですね……」自分の手持ちの手帳と羽ペンを取り出して、インクを付けずにノートをつつく
ディレウス:「自分用のノート持ってるぞキルシュ」
ルメス:「さすがはセージ」
パーチア:「期待していいんじゃないか?」
キルシュ:数秒考えこむと、表情はそのままにインクを付けて手帳に書きだす
キルシュが手帳をギルドマスターと3人に見せつけると。
そこには
キルシュ:「"アウトランディッシュ"。いかがでしょう?」
ディレウス:「おお、なんかよくわかんねーけどかっけえ!」
ルメス:「ディレウスに同じく!かっけえ!アウトランディッシュ!」
パーチア:「アウトランディッシュか、キルシュはネーミングセンスがあるみたいだな」苦笑い
ギルドマスター:「わかった。本当にその名前でいいんだね?」と確認する
キルシュ:「あら、"これはまた風変わりな種族の集まりじゃないか"と昼に言っていたのはギルドマスターではありませんか」静かな笑顔で
※8話参照
ギルドマスター:「そういえばそんなことも言っていた気がするな。分かった、期待しているよ、アウトランディッシュ!」
ギルドマスターは4本のリボンにパーティー名を描き、手渡してくれます。
キルシュは腰のガンベルトに、ルメスは手首に、ディレウスは角に、パーチアは自分の左腕にリボンを結びつけます。
(フレーバーアイテムであり、装飾品枠は消費していません)
ルメス:「なんも効果ねえけど、なんだかパワーアップした気がするな!」
パーチア:「ようやく正式にチーム結成って気はするぜ」
ディレウス:「よっしゃマスター!俺たちこそが……えーと……」パーティー名を思い出せずに固まる
キルシュ:「早速忘れないでください。アウトランディッシュです」
ディレウス:「そうだ!アウトランディッシュの伝説、見ておけよ!」
ギルドマスター:「ああ、アウトランディッシュが伝説になるその日を楽しみにしていよう」
キルシュ:「……改めて、自分で決めた名前を他人に叫ばれるのは恥ずかしいですね」と口元を覆う
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