7話
パーチア:「何秒かかった?」
ルメス:「40ちょいだ。60以内なのは確実だし、なんとか、間に合ったんじゃねえか?」
ルメスが後ろに振り向くと、護衛兵たちは疲弊、負傷しているものの、致命傷になっている者はいませんでした。
護衛されている赤髪の少女、イリーチナも無事です。
兵士A:「た、助かった……」
兵士B:「お前たちは?いや、疑うのはよそう。アレクサンドラ様に味方してくれたなら俺たちの味方だ」
兵士C:「イリーチナ様を助けてくださり感謝します。おかげでなんとか守り切れました」
パーチア:「MVPならそこのティエンスだぜ。礼ならそいつが受け取るべきだ」とアレクサンドラを指さす
アレクサンドラ:「よしてくれ、私だけではお守りできなかった」
すると、護衛兵の背に隠れるように守られていたイリーチナが出てきて、アレクサンドラとパーティーに1回ずつ頭を下げます。
イリーチナ:「あ、あの、私からもお礼を言わせてください。おかげで誰1人失うことなく魔神から逃れられました。ありがとうございます」
アレクサンドラ:「い、いえ!私には勿体無いお言葉です!私の方こそ、イリーチナ様をこのような目に合わせてしまい、申し訳ございません……!」とイリーチナ様にひざまずく
ディレウス:「MVPがアレクサンドラなら俺はアシスト賞くらいもらってもいいんじゃないか?」
パーチア:「ディレウスは得点賞だな」
キルシュ:「……あとでルメスさんのヒーローインタビューを受けてはいかがでしょう」苦笑い
ルメス:「パシャパシャー!今回は素晴らしいご活躍でしたねアレクサンドラさん!」とフルートをマイクがわりにアレクサンドラに向ける
アレクサンドラ:「……はは、どう答えようかな」と困った様子
アレクサンドラは部屋の正門の扉を開けます。
そこには、昼だったはずの時刻はすでに夕焼けの空で、下には見たこともない街が見えます。
アレクサンドラ:「ここはかつてアスィムルラートと呼ばれた国だ。もう何年になるか分からないが……忘れてしまうほど昔の話だ。この王国は魔神によって滅び、本来なら私もイリーチナ様も死ぬはずだった」
ルメス:「いつくらい昔よ」
キルシュ:「聞いたことない国の名前ですが……この部屋に掛けられたエンブレムは魔法文明時代の物です。少なくとも3000年は前の」と部屋のエンブレムを指さす
ディレウス:「そんなに前の奈落だったのかよ」
パーチア:「それで、今アレクサンドラとイリーチナが生きてるってことは、歴史は変わったのかよ?」
アレクサンドラ:「過去の話だからな。それはわからないが、少なくとも、少し気持ちが楽になった気がする」
すると、アレクサンドラはポケットからお守りを渡してくれます。
ラピスラズリの宝石が埋め込まれた耳飾りです。
アレクサンドラ:「これを持っていってくれ。礼と言っては何だが、きっと貴殿らの世界でも役に立つはずだ」
パーチア:「アタシが受け取るよ。少なくとも、アレクサンドラよりはタフだからな」
アレクサンドラ:「頼む。貴殿らなら、私以外の誰かの運命を変えられることができるかもしれないな」
※実はここでもらえる"ラピスラズリのお守り"は前衛に他の味方がいると効果を発揮しません。
ディレウスとパーチアは基本的に前衛に出るのでアイテムとしては全く役に立ちません……
すると、いつの間にやら、部屋には奈落の核が浮いていました。
どうやらアレクサンドラは奈落の核には気づいていない様子です。
ルメス:「おい見ろ、奈落の核だぜ。あれをぶっ壊せば列車も元に戻るはずだ」
キルシュ:「戻りましょうか。私たちができるのはここまでそうです」
ディレウス:「だな。ってことでさんざん苦労させてくれたな奈落どもよ!飛べなくなったじゃねえかどうしてくれんだ!?」と奈落の核に向かってメンチを切る
パーチア:「奈落の核に向かって喧嘩を売ってどうするんだよ」
ディレウスは散々飛行させやがってと言わんばかりに3回ほどエストックで奈落の核を叩くと。
景色にヒビが入り、崩れ落ちていきます。
パーティーは中央域をクリアし、600の経験点とアビスシャード7個を獲得しました。
その向こうには何の変哲もなくなった草原と。
線路内で止まっている魔道列車がありました。
キルシュ:「帰ってこれましたね。この様子なら魔道列車も走れそうです」
ルメス:「まあまあギリギリの戦いだったな!」
ディレウス:「もう1戦あったら俺も危なかったぜ」
パーチア:「あのスタッフはどこだよ?」とヤルノを探す
しばらくするとヤルノがパーティーに向かって走ってきます。
ヤルノ「お疲れ様でした!奈落の魔域を攻略されたのですね!これで魔道列車の運行を再開させられます!」
ルメス:「ダイヤが遅れてるぜ、早く走れよ!」
キルシュ:「そういえば。奈落の中でアレクサンドラさんという方に出会いました。ご存知でしょうか?」
ヤルノ:「ええ、名前だけなら有名な方です。魔法文明時代に奈落から溢れ出る魔神に対して戦った"壁の守人"の一員だとか。彼女の奈落だったのですね」
パーチア:「アイツからお守りをもらったんだ。助けてくれると思うか?」耳飾りを振って音を出す
ヤルノ:「ええ、きっと。これからの奈落との戦いにおいて大きな助けとなるでしょう」
ヤルノは機関室に乗り込み、数分経つと。
ヤルノ:「お客様には大変ご迷惑をおかけしております。本列車は只今より、クルツホルムへの運行を再開いたします!」
ディレウス:「やっと第1話ってところだな」
ルメス:「今までの1話ですらなかったのかよ!そりゃそうだわ街にもついてないんだから!」
キルシュ:「まあ、お土産はできたということで、いいのではないでしょうか?」アビスシャードを並べて
パーチア:「アビスシャードをギルドへの土産っていうキルシュ、根っから冒険者だな」
キルシュ:「お褒めの言葉を頂き光栄です」
数時間の列車旅のあと、地平線から大きな建物が見えてきます。
鉄道の町、クルツホルムです!
ルメス:「見えてきたぜ!あれが駅のホームだ!」
キルシュ:「すごく大きいですね!」
ルメス:「まあな、ここの鉄道ギルドがコルガナ地方最大といってもいいくらいだ。冒険者ギルドもあったはずだから、まずはそこに行こうぜ!」
クルツホルムに到着したことでレベルアップが可能です。
キルシュ:シューターLv4→Lv5、エンハンサーLv0→Lv1(キャッツアイ)
ルメス:バードLv4→Lv5(終律:獣の咆哮)
ディレウス:フェンサーLv5→Lv6
パーチア:ファイターLv2→Lv3
クルツホルムで報告する「アビスシャードを10個納品」のクエストを達成し、マテリアルカードや消耗品を買い込んだ結果、共有資金は8900Gになりました。
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