怠慢と呼ぶなかれ



 こう冷える日が続くなら、月のものも多少廻りが遅くていいだろうと愚痴を吐く。別段普段の独り言と変わりはしないが、それなりに個人的な嫌悪感を持つことも少なくなかろう話題を出すのには、これでもすこし抵抗がある。作る意味は微弱だが、物好きしか見ないとわかっている分気が楽だ。

 家に居座り炊事洗濯ばかりできれば重い腰も軽くはならずとも和らぐだろうか、しかし如何せん男手は物心もつく前に死んでいるし、誰かと手を取り合うにはまだ時間が足りない。できたからと言って楽な仕事だとは当然言えないが体力のない自分に任せるには荷が重いところも否めない。

 大昔ツテで働いた時にできた頭の穴は未だに色素が無い。他にある黒で随分と隠れてしまった、忘れるつもりは無いが。あれに比べれば、どれほど好待遇なものだろう。頭では理解しているつもりだ。

 まぁ、だからとて、だからとて。いつもの三割増で動かしにくい身体を無理に動かせる訳もなく。布団に潜り込んで積んでいた漫画を昇華するなどしている、この夜である。


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