何ともなく寝たくない



なんだかよく分からないけれど、無性に恐ろしくなってこれを書いている。

案外私の人生はいつもそのような面持ちをしている。薄ぼんやりと特に希望もなく生きていたと思えば、ふと湧き出た怖いなどという陳腐な感情を、抱き締めながら息をする。

何が怖いというのも私の奥には、袋の中の蛇のように十把一絡げになっている。昔から蚯蚓が鳴くような音にも怖がっていたし、おばけなんてものも未だに一蹴できない。だからって生きている人間より怖いものは無いとも思っているし、それよりも必然的に訪れる、死という概念そのものにはもう、溢れ返って治まらない。

なんだか、二十を過ぎてからの一年足らずで、何となく恐ろしくなることがやたらと増えた気がする。何もかもが怖くて、眠るとそれがいっぺんに襲ってきそうで、だからなるべく寝たくないけれど、明日があるから寝なければいけなくて、でも眠れば明日がないかもしれないし。最近は特に、強いというか、怖さが重い。風邪なんか引いてられるかなんてのが口癖だった母の体調不良が増えて、今見ているものが消えることに現実味が滲んできたからだろうか。変化を望まない私の生き方は、恐らくこの地球という世界で生きる人間としては、かなり生きにくいのだろうな。こんな具合に客観視したふりをして、よく分からない文章を書き納めておく。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る