落ちこぼれの心



 分かっている。普通じゃないことくらいは、普通に。

 留めていた何かが消し飛んで、何も手につかないまま足元が泥濘んでいった。頼るという事がこんなにも難しいものなのだと、知ったのは凡そ一日前だったりする。

 人の心を分かろうとするのは無謀だ。それは重々承知。しかし、分からないまま己の心の内を晒すのはいやはや、何とも恐ろしくて堪らない。

 欠伸が続く。眠りは浅いが夢は見ないので、よく眠れているのだとある人は間違える。構わない、知られなくて問題無い。知られてしまえば本当になってしまう。

 酷いものだ、心配と恩を仇で返すのだから。一般的に見る普通が出来ない落ちこぼれが、はたして如何にあの超人から生まれたのか、それは少し気になるところではある。

 何が出来るわけでもない。何某先生の言葉を借りれば、上位互換はごまんといる。あれ、死んだ方が良いか。でもなぁ。これを繰り返して今現在である。20回で数えるのをやめた。

 死にたいわけではないし、死のうと思うわけでもない。というか死ぬのは普通に怖いのでいただけない。この辺りはまだ正常だと思っている。

 ただ、死ぬならもう少し後がいいかと、考える節もある。己に今まで見えなかった心を見たからか。

 人を好く人の気持ちを、今の今まで理解は出来なかったが。はて、これがそうなのだろうかと思い当たる節はほんの一粒。押し潰せる程の一粒でしかないが。

 恋愛感情と独占欲を履き違えていないか、未だ不安を抱える今日の微熱妄想である。


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