8 初めてのガールズトーク

「セレーネさんてめんどくさいけど、楽しい方ですね」

(めんどくさいは余計よ)

「ふふっ。私、友達いなかったので女の子とこうやって夜遅くまでお話しするの憧れていたんです」

(……そう)

「欲を言えばですね……お泊まりしてパジャマ着てお菓子を食べて朝方までお互いの恋の話とかしたいですね、へへ」

(………あなた可愛いわね)

「エマって呼んでくれると嬉しいです」

(ふふ、エマね。改めて自己紹介するわ。私はセレーネ・シャノワーヌ、17歳。ちなみにベンジーは22歳)

「17歳!?私と1つしかかわらないの?」

(どういう意味?老けてるとでも言いたいの?)

「いえ、私は16歳なんですけど、セレーネさん、容姿は大人っぽくて綺麗だから17歳って聞いて驚いたんです」

(……容姿はって何よ)

「そのままの意味ですけど?」

(………まあ、いいわ。エマはちんちくりんだけれど、でるところはでてウエストも細いし顔も………)


可愛いわよ、とセレーネはボソッと言った。


セレーネさんて自分勝手だけど素直で可愛い方ね


(それで?あのウィルって男は恋人なの?従者の男もカッコ良かったし、従者にしては仲良すぎのようだったわね。どっちが本命なの?)

「え?ジュードのこと?いやいや、ジュードは従者だけど、今探偵事務所で一緒に働く同僚だから仲良いだけよ。ジュードったら従者ってこと忘れて楽しんでいるみたいだし。それにウィルだって………ペットよ」

(ペット?ふーん……一緒に寝てる男のペットね)

「だから違うって!事情があって昼間は猫の姿になっていて、夜は人間の姿に戻るのよ。一緒に寝ているのだって、ソファーで寝てと言っているのに朝起きたら必ず横で寝ているんだもの」

(へぇ~)


セレーネはエマをみてにやにやしている。

そのあとも二人は明け方まで話続け、エマはソファーでそのまま寝てしまった。



「おい、エマ、起きろ。朝だぞ」


猫の姿のウィルがソファーで寝ているエマの横に来て呼び掛けた。


「ココが来てこんなところで寝てるの見られたら困るだろ?」

「うーん………もうちょっと寝かせて……」


なかなか起きないエマに、ウィルはペロッと顔を舐めた。


「ひゃっ!」


エマは目を開け、舐められた頬を手で触る。


「え?今舐めた?舐めたよね?」

「起きないし、美味しそうだったからな」

「お、お、美味しそうって……」


エマの顔が赤く染まっていく。


「あれ?セレーネは?」


エマはすっかりセレーネと仲が良くなり、名前で呼び合うようになっていた。


「さぁ?起きたらいなかったぞ。遅くまで楽しそうで、良かったな」

「……うん、とても楽しかったわ」

「それより時間は大丈夫か?」

「今何時?早く朝食食べて支度しないと!」


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