11 ジュリー・アロー
ジュードは取っていたメモを読み上げた。
「さっきの定食屋いた爺さんが5/27の月曜20時頃に五番地を腕組ながら歩いているところ、ヴァンさんが……5/21の水曜16時頃に五番地にある宝石店に二人で入っていくところを目撃……」
「あとはロンが情報を集めてくるだろう。さ、もう14時だ。そろそろ行こうか」
「「はい」」
◇◇◇
店についたらエマ抱き抱えられていたウィルはピョンと飛び降り店前に座った。
「ウィルはここで待っててね」
「にゃー」
───カランカラン
「ごめんないさい。ランチはもう終わっていて、夜は17時からになります」
厨房で片付けをしているジュリーが入り口をみた。
「あら、お客さん……忘れ物ですか?」
「……いや、すみません、今お時間少し宜しいでしょうか」
「………はい」
ジュリーは手を止めて、マートン達のとkろへ来た。
「すみません、お待たせしました。どうぞ、お掛けください」
「ありがとうございます」
三人は先程座っていたテーブル席に座った。
「今、水をお持ちしますね」
「いえ、お構い無く。ジュリーさんもお掛けください」
「………わかりました」
ジュリーは隣のテーブル席に座った。
「あの……それでどのような……」
「ああ、申し訳ない。私はこういうものです」
マートンは名刺をジュリーに渡した。
「マートン探偵事務所………」
マートンはにっと笑ってエマとジュードも紹介した。
「探偵ということは……夫が何かしたんでしょうか」
「いや、依頼人のことは守秘義務があって言えないんですけどね、メアリーさんの遺言書の件で、ジュリーさんに少しお伺いしたいことがありまして」
「………義母の遺言書ですか?」
ジュリーは驚き、目を見開いた。
「遺言書があることはご存じでしたか?」
「……いえ、全く………母が亡くなったのは二年も前のことですし……」
「ご主人は遺言書のことは?」
「……知らないはずです」
「そうですか。遺言書なので、私も中を確認できていませんが、メアリーさんはこちらの店をジュリーさんに継いでほしいと考えていたようです」
「………え?」
「現在こちらの店はご主人が継いでいるようですね」
「………はい、そうです」
「遺言書がメアリーさんの筆跡か証明しなければいけなくなると思うので、宜しければメアリーさんの遺品かなにかで筆跡のわかるのもをお借りできませんか?できれば二点ほどあると助かります」
「……………」
「……突然で混乱してるかと思います。今日は失礼して明日また伺いますね。このことはご主人には内密にお願いします」
「……それは大丈夫です…その、主人は帰って来ませんから」
「……そうですか。では、また明日のこの時間に伺います」
三人は明日来る約束をし、店を後にした。
「ジュリーさん、メアリーさんがジュリーさんに継いでほしいと思っていたと知ってどう思ったんですかね……」
「……エマ、明日メアリーさんが来たらジュードとジュリーさんのところへ行って預かってきてもらえないかい?」
「マートンさんは行かないのですか?」
「ああ、エマに頼みたい」
「……わかりました」
三人とウィルは、探偵事務所へ戻った。
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