転生令嬢の私に未練はお任せください

6 朝食

翌朝、遅くまでウィルと話し込んで起きていたエマは眠い目を擦りながらあくびをし体を起こした。

「ふわぁ～……朝ご飯作ろう」

横を見ると猫の姿に戻ったウィルが気持ち良さそうに寝ている。

「またここで寝たのね……もう！あれだけ言ったのに！！起きたら覚えてなさい！」

エマはウィルに布団を掛けてあげ、ウィルが寝ているのを確認し、着替えて顔を洗いキッチンへ向かった。

昨晩、ミシェルに火の使い方や調理器具、の収納場所、調味料について聞いていたのでエマは早速調理にかかった。

久しぶりね、ふふっ、食べてくれる人がいるってわかっていて作るのって楽しい！

「フンフフフ～ン♪」

エマは鼻唄を歌いながらレタス、キュウリ、トマトを洗いサラダを作り、ベーコンを焼き、カブのスープとふわふわのオムレツを作った。

あとはパンを切るだけっと

「おはようございます」

「おはよう、ミシェル」

ミシェルは昨晩の歓迎会が遅くまで続いたため、マートンに泊まっていきなさいと言われ泊まることになった。

「すごく美味しそうな匂いが三階までしてきましたよ！わぁ～美味しそう！」

「ふふっ。ありがとう」

「ふわぁ～、すげー美味しそうな匂いがする」

「腹減った～」

残りの住人も続々と起きてきて、全員が揃った。

「朝から豪華！最近ミシェルが来ていなかったから朝から嬉しい！」

「本当にこれ、エマちゃんがひとりで作ったのか？」

「疑っているんですか？失礼な人は食べなくて良いですよ」

エマはポールの皿を取り上げようとする。

「うそうそうそ！冗談だって」

歓迎会のおかげで皆うちとけていた。

「「「いただきまーす」」」

「にゃー」

「……美味しい！」

「本当、美味しいわ」

「初めて作ったとは思えないな」

みんな喜んで食べてくれているわ

嬉しい……

美味しい、旨いと言いながら皆朝から勢いよく食べていく。

「そういえば俺、昨日かなり酒飲んで酔っていたんで変な夢みたんですよ。エマ様の部屋に行ったら、ベッドに裸の男がいたんです」

「ゴホッゴホッ」

「エマさん大丈夫ですか？」

エマがむせたのでミシェルが水を差し出した。

「……ありがとう、ミシェル」

エマは水を一気に飲み干した。

「へ、変な夢ね」

「そうなんですよ、部屋に男を連れ込むなんて……はは、ちんちくりんなエマ様にはまだまだ先の話ですし、本当おかしな夢でした」

「……今さらっと悪口言わなかった？」

「そうですか？気のせいですよ」

ジュード……私の従者ってこと忘れていない？ここに来て扱いが絶対に雑になったわ

その後朝食も楽しい時間を過ごし、片付けはロンとポールがやると言い、エマは部屋へ戻り、仕事へ行く準備をした。