5 猫の正体2
「……あー…俺たちも寝るか?」
「そうね……って寝ないわよ!」
「全く…」と言いながらエマはソファーに座った。
「それで、何で猫になったかは教えてはくれないの?」
「ああ、それは……」
ウィルはこのルークベルア王国について語り始めた。
「────だから、捕まって毒を飲まされたんだ。死ぬと思ったけどなぜか生きていて猫の姿になっていた」
……長い、眠くなってきた………
「ふわぁ~……要するに、貴族制度がなくなっておもしろくない人たちが悪巧みをしてるってわけね。それの頂点が第二王子のライアン。で、第一王子派が調べているところ、あなたが捕まって今の姿になったのね」
「………エマ、本当にお嬢様なのか?すごい馬鹿っぽい」
「……でも、大体合ってるでしょ?」
「…………」
「国王が今床に臥せているなんて知らなかった……お父様はきっと知っているわね」
「ああ。エマんとこは第一王子派だ。エマの力も役に立つと考えてここを紹介したんじゃないのか?」
「……そうかも。それじゃあ、マートンさんもこのこと知っていて追っているかもしれないわね……ウィルがこの姿なのって、他の人に言ってもいいの?」
「いや、駄目だ。どこで誰が聞いているかわからないからな。知ってる人は少ない方がいい。知ってるのはジョシュア様だけだ。ジョシュア様の話だと消えた俺のことをライアン様が探してるっていうし」
「そう…………ってことは、このままこの部屋で暮らすの?」
「そのつもりだ、宜しくな!さ、もう時間も遅い、寝よう」
ウィルは、にっと笑って横に寝転り、寝ようとした。
「ちょっと!何普通に寝てるのよ!ウィルの寝るところはこっちよ!ソファーで寝てちょうだい!!事情が事情だから百歩譲ってここに住むことを許してあげるけど、ベッドは絶対にだめよ!あと着替えのときも出ていって」
「……わかったよ」
ウィルは、チッと舌打ちして立ち上がりそのままソファーに寝転がり寝た。
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