第199話
それから三日、私の熱は下がらなくて学校もバイトも休んだ。
病院に行ったら「風邪だ」と診断を受けた。
毎日陸が学校帰りにお見舞いに来てくれるけど、四日目の今日はさすがに部活に顔を出さなきゃって言って、朝私に会いに来ていた。
……どんだけ心配症なの。
本当は今朝、微熱にまで下がっていたから登校しようとしたんだけど、陸に激しく止められ今日は金曜っていうのもあって念のため、休むことにしたのだった。
まあ、凛には会いたくなかったから私には好都合。
それも陸はお見通しだったんだろうけど。
……私が学校を休んでいた三日間、凛は一度も会いに来なかった。
それどころか、連絡もない。
……これは、もう終わりのフラグ?
そんなことを考えながらなかなか喉を通らない
朝食のトーストをアイスコーヒーで流し込んでいると、キッチンで後片付けをしていたお母さんが話かけてきた。
「──ねえ、マヤ。神永君って子とは、どんな関係なの?」
ブフーーッ!!!
……お食事中の方、すみません。
盛大に噴き出しちゃいました。
「は!?なんでお母さんが知ってるの!?」
その音を聞いて「うわ、汚っ」と布巾を持ってきたお母さんに質問で返す。
すると少し考えてから
「うーん、『まやちゃんには言わないで』って言われてたんだけど……。あんたが寝込んでた三日間、毎日家に来てたの。学校帰りなのか、あんたと同じ高校の制服でね。愛想のいいイケメンじゃない。玄関先で『まやちゃんの体調はどうですか?』『熱は高いんですか?』ってあんたの体調のことだけ聞いて帰っていくのよ」
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