俺の世界でいちばん可愛い彼女

第184話




 ──俺の世界でいちばん好きな人を教えてあげよっか?



 まやちゃんっていうんだけどね。

 世界一可愛い俺の自慢の彼女なんだ。




 俺の目には、いつだってまやちゃんだけしか映らない。

 まやちゃんの周りだけすごく輝いて見える。



 まやちゃんが隣にいるだけでニヤけが止まらないし、幸せすぎてどうにかなってしまいそうなくらい。



 まやちゃんが笑ってくれるだけで、俺の世界はどんどん鮮やかになっていく。




 彼女が付き合ってくれるって言った時、泣くほど嬉しかったのを覚えている。

 

 だって、あの、まやちゃんが。



 ……今でも思い出すと悶えるよ。



 俺、周りからは「クールだ」とか「冷たい」とか言われてるけど、好きな子には「好き」って正直に言うし(まやちゃんオンリー)触れたいと思ったら実行する。


 キャラだと思われがちだけど──俺、自分に正直だから。


 興味のない人に冷たい俺も、まやちゃんに甘い俺も──どっちも本当の俺。



 自分でも馬鹿だと思うくらい、まやちゃんを溺愛してるのも分かってる。


 彼女のためなら、何だってしてあげたい。


 本当に、大好きだから──。



 ……だから今回のことは、どうしても許せなかった。



 他の男がまやちゃんに触れたのが許せない。


 俺の知らないところで二人っきりでいたことが許せない。



 陸がまやちゃんの頭を撫でるときも気が気でないのに。

 キスなんてもっての外。


 しかも西川の言葉から察するに……あいつ、まやちゃんの肌にも触った、って……?



 ふざけんな。マジで殴りそうになった。



 まやちゃんは隙がありすぎる。

 ……そこも可愛いんだけど。



 すぐ顔を真っ赤にするから、男は勘違いするんだ。

 ……そこも堪らないんだけど。



 ──普段クールなくせに、照れた顔が可愛すぎるんだ!!



 

 ああ……だめだ。


 本当に怒ってるのに──イライラしてるのに、まやちゃんを悪く言う言葉が見つからない。





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