ごめんね

第175話



 ──昨日、西川君が倒れた。


 いつもクールで表情を崩さない彼が、珍しく苦しそうにしていた。



 神永君の匂いがする、なんて言われて焦ったけど。軽く流して平静を装った。


 そのまま一緒にいたら探りを入れられそうで嫌だったけど、あんな状態の西川君を一人じゃ帰せなくて……彼の身体を支えながら彼のマンションまでついて行った。


 凛はまだ、念のため家で休んでいるからバイト先にも来ず。うるさいやつがいなくて助かった。



 でも、凛がいればもっと早くたどり着いてあげられたんだろうな。





 今日は祝日で、凛とのデートの予定だったからバイトも休んでいたんだけど、病み上がりで連れまわすのは可哀そうだから延期となった。


 想像通り、

「嫌だ!!まやちゃんとのデート!!!行くんだ!!」

 とまあ駄々をこねていた凛だけど


「……もしそれでまた熱でたら、二度とデート行かないから」

 という一言と、次の約束をすることでしぶしぶ了承してくれた。



 ……一応、あんなやつとのデートでもおしゃれしていこうと、何度も鏡の前でファッションショーをして決めた服を見つめてベッドに横になった。


 なんか、楽しみにしていたみたいで悔しいけど。

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