第157話
新人の瀬川美琴ちゃんはとっても美人さんで、女子力が高い。
一つ一つの仕草が可愛いし、すごくいい子。
私のことも慕ってくれてる……と思う。
だけど、少し気になるのが。
「神永先輩も、お疲れ様です!!」
よく、凛が座っているカウンター席に目を向けていること。
心なしか凛に対して笑顔が華やかで、彼と話すたび顔を赤らめていること。
帰り道、方向が一緒だからとやたら私たちと帰ろうとすること。
……それ自体は別にいいんだけど。
仮にもカップルの──先輩たちの間に割って真ん中で歩く彼女の度胸には感心してしまう。
それが天然なのか、わざとなのか……。
それが大きな問題なんだけど。
「あ、どーも」
凛はいつも彼女に対してそっけなくて、美琴ちゃんが一緒に帰ろうと提案するとあからさまに嫌な顔をする。
だけどこんな暗い中、女の子を一人帰らせるのは
さすがに気が引けるのかしぶしぶ受け入れているみたいだ。
だから最近は、彼女が私たちの間に入ってくるよりも早く私の手を握って、邪魔されるのを阻止しようと奮闘している。
「先輩、今日も一緒に帰ってもいいですか??」
にっこり笑って言う彼女に
隣でちょうど私の手を握った凛が軽くため息をついた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます