第148話


「むう~~~~~!!!!」

 ほっぺたを膨らませると地団駄を踏む神永君。


 ……お前何歳児だよ。


「その3人、倒してくる!!」

「意味がわからん!!」


 倒してくるって何!!?前にも言ってたよね!?


 今にも飛び出していきそうな彼を止める。


「だってちゅーもしたんでしょ!!?俺許せない!!」


「それは知らん!!」


 お互い鼻息荒く言い合うが、神永君はいきなりオドオドし始める。


「ま、まさか……それ以上、も……??」


 ──答えらんねえ質問すんな!!!!!


「あー……」

 更なる爆弾投下に私はノーコメント。


 だけど神永君は何かを悟ったようで


「うわああああああいやだあああああ」


 そう叫びながら崩れ落ちた。



「……なんかごめん」

 体育座りをして、膝に顔をうずめる彼に何故か謝る。


 こんなにあからさまにショック受けられたら申し訳なくなるわ。


「いーもん、俺だって……これから……頑張るもん……」

 何を頑張る気だコイツ。


 しばらくするとまた勢いよく起きあがって


「もう!!これからは!!俺以外の人とちゅーしないで!!」


 そう私の肩を掴んで言う。

 

 お前彼氏じゃねえだろ。

 それに──。


「いや、もうすでに西川く──」

「その名前は呼ばない!!」


 西川君に奪われたばっかりなんだけど──って言おうとしたら瞬時に遮られる。


「……ハイ」

 彼の剣幕に、何も言えません……。


「でも……」

 神永君は、今度は神妙な面持ちで呟く。ほんと、表情の変化に忙しい人だと思う。


「まやちゃんに……本気で好きな人ができたら、しょーがないけどさ」


 ……そうやって悲しそうに笑うから、私はあんたを見捨てらんないんだ。

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