第127話
更に
「それがだめなら、俺も雇って!!!!」
と彼が落とした爆弾に私と廉先輩は揃って
「それは無理」
とバッサリ言いきった。
「なんで!!!!!?」
「お前を雇うならマヤには辞めてもらわなきゃ。お前は仕事にならんだろ」
──いや、それは私が困る!!!!
「……確かに。まやちゃんばっかり見ちゃいますね」
納得すんな、馬鹿にされてんぞ。
そこに
「おはようございまーす」
と聞き慣れない声がした。
「あ、来た来た。期待のイケメン新人」
お、それはぜひとも見ておきたい。
神永君もじっと奥を見つめてイケメンを見定めようとしている。
足音が聞こえていよいよイケメンを拝もうと振り返る。
……そこには
「よろしくお願いしますね、マヤ先輩」
「まーじか……」
まってくれ。
「ちょ……っ」
神永君も顔面蒼白。
そこにいたのは長身クールなイケメン。
──西川君の、登場だった。
……マジかよ。また面倒なことになりそうだ。
「──で、お客様がセットにするとおっしゃった場合はここを押すのを忘れないで。セットと単品とじゃ、値段も変わってくるからね」
……私は一体何してるんだろう。
クール系イケメンの指導を任された私。
まさかイケメン新人の正体が神永君と一触即発だった彼だとは予想もしていなくて、気まずくて仕方ないよ。
「はい、わかりました」
そう素直に答える彼──西川君はいつものクールな表情のままで。
……この子、営業スマイルとかできるんだろうか??
「ちょっと西川君、笑ってみて」
突然の要求に怪訝そうな顔。
……おいこら。先輩だぞ。
「何故」
いや何故じゃねえよ。
仕事だから!!!
「いいから早く」
肩を押して急かすと
「えー、じゃあ先輩が面白いこと言ってくださいよ」
そう馬鹿にしたように言う彼にカチンとくる。
生意気だぞ!!!!
「あんた、殴られたいの?」
神永君なら秒速で頷く所だね。
「マヤ先輩になら、ぜひ」
彼はにっこり笑って言いきった。
……ほんとに神永君と西川君は似てないようで、似てるところが多い。
最近の男はドМばっかりなのか!!!?
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