第125話
──そこには耳まで真っ赤にさせて、口をパクパクと動かす神永君。
……なんで?
「ちょ……まって、まやちゃん。それって……俺、自惚れてもいいの……?」
……彼が何を言いたいのか、真剣にわからない。
照れたような表情の中にも嬉しさが滲み出ている、そんな顔。
彼が得意とするポジティブ変換なんだろうけど、彼の頭の中は予想もできない。
「……なにが」
どんな斜め上の答えが返ってきてもいいように身構える。
「俺には、まやちゃんが……ヤキモチ妬いてるようにしか聞こえないんだけど」
だけど、返ってきた言葉がぶっ飛び過ぎていて、身構えたのも意味がなかった。
……は??
最初は彼が何を言っているのか分からなくてぽかんとしていたけど、徐々にその言葉を理解する。
そして今度は、私が顔を真っ赤にさせる番だった。
「ち、ちがうわ!!!!!」
慌てすぎて噛んでしまう。
必死で否定しても目の前の男の顔は段々と緩んでいく。自分のいいように考えているのが丸分かりで誤解なんて解けそうにもない。
……私がまるで神永君を好きみたいじゃん!!!
恥ずかしくて顔から火が出そうだ。頭を抱えてどうにか言い訳をしようとするけど
「超嬉しい~~~!!!!」
……彼の耳には、都合のいいことしか入らないみたいだ。
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