第45話
「──ん。似合うね」
そっとその何かに触れてみると、それはシロツメクサで作った花冠だった。
……いや女子力高すぎか。私こんなの作れねえわ。
「まやちゃんは、俺のお姫様~っ」
なんて無邪気に笑う目の前のイケメン。
……バカ丸出しのこの男。
今時「俺のお姫様」とか使う人いないだろ。
「──あんたは、私の王子様なわけ?」
呆れたようなため息を吐くときょとんとする神永君は
「……ダメ?」
と可愛く首を傾げる。
「随分、お姫様を溺愛してる王子だね」
皮肉をこめて言ったつもりだったけど「でしょーっ!!」なんて喜んでいるからやっぱり馬鹿だと思った。
私はさっき見つけた四つ葉のクローバーを彼のYシャツの胸ポケットに入れる。
「……これ、お礼」
何気なく言った言葉にだんだんと顔を煌めかせていく神永君。
「ま、まやちゃんからの初めてのプレゼント!!?」
……いや、プレゼントっていうか……。
競争って言うから必死で探したのであって、彼が四つ葉のクローバー探しをせず花冠を作っていたのなら別にもうこの四つ葉は意味を成さない。
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