ポジティブすぎる男
第8話
――次の日。
土曜日の今日は昼前からのシフトだった。いつものように更衣室で制服に着替えて、髪をまとめる。
「おはようございまーす」
そう、いつものように挨拶しながら厨房を通ってレジカウンターへと入っていく。
店長が挨拶よりも先に
「昨日、どうだったの??イケメンくん」
と声をかけてきた。
どうもこうも──昨日は結局公園まで送ってもらい、彼の「またねーー!!!」という言葉に若干の恐怖を覚えながら帰路についたのだった。
あなたのせいで面倒くさいことになりそうですよ、店長。
嫌味を込め、気持ち悪いぐらいにっこり笑って
「おかげさまで」
とだけ言った。
「そりゃよかった」
そんな嫌味も店長にはあまり通じてないみたいだったけど。
「──なになに?楽しそうな話してんじゃん」
店長と私の会話に入り込んできたのは、ひとつ年上の廉先輩。ここのバイトも私より長くて、よく指導してもらっていた。
オレンジという派手な髪色をしているけど、全然チャラチャラしていなくて……むしろクールな人。
顔もそこそこ男前だし、冷たいけどたまに見せる笑顔とか優しさとかにやられてしまう女子が後を絶たないらしい。
──ちなみに、私の彼の第一印象は
飲食店なのに、オレンジの髪ってアリなのか?……でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます