第6話


 訳の分からない突然の告白に私はなんの返事も出来ず、隣で歩く彼はそれに触れることもなく話題を変えてしゃべり続けながら私の横を歩く。


 私は適当に相槌を打っていたけどふとある考えが頭をよぎった。


 ──ちょっと待て。こいつ、どこまでついてくる気??さすがに、初めて会った人を家までホイホイ案内するほど馬鹿じゃないんだけど。


「……ねえ、どこまでついてくるの?」

 私がそう尋ねると、隣の男は顎に手を当てて考える。


「ん?まやちゃんの家ってどのあたり??」


 ……来た。やっぱりついてくる気なんじゃ──。


 あわよくば、「お礼にお茶でも……」っていう展開を期待してるとか!?これは阻止せねば!!


「えっと、この先に大きい公園があるでしょ??その近く」

 適当な目印のところを挙げてみる。

 間違いではないよ??公園から徒歩五分だから。


「……そーだなあ、じゃあ、その公園まで!!」

 にっこり笑った彼に、また拍子抜けする。


 あれ、思ってたのと違う……?


「さすがに、初対面だと思ってる男に家までついて来られたら嫌でしょ?家まで送るのは、もっと仲良くなってからにする~!あ、でも何かあったら心配だから、ラインだけは教えて?」


 頭を傾げて可愛く言うもんだから、思わずポケットからスマホを取り出していた。


 あ、あざとい……!!


 まあ連絡取りたくなかったら、ブロックすればいいし……。思ったよりも、常識ある?っていうか、女心わかってるっていうか……。

 はじめはあんだけぶっ飛んでたくせに……。


 ……そりゃそうか。この顔ならモテるだろうし、慣れてるんだろうな。

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