第38話 赤羽&カティ VS宝石アント
神社で一休みした。
寝すぎた。すまん。クロック、バン。
この大仏様と現代の神器のある謎空間で
こたつ様と子猫たちと戯れすぎた。
親猫にダメ元で
「外まで案内してくれるか」
と聞いたら
「ナオナオ」と言って子猫を首のモフモフに埋め込んだ。
承諾してくれた。
たぶん。
「こたつだけでも」
というカティを無理やり猫に乗せ出発する。
「いずれ!いずれ必ず取りに来ますからね!」
大仏と神社と現代の神器たちに別れを告げる。
また暗いダンジョンの細道に入る。
火魔法で灯りをつけているわけでもないのに猫はぐんぐん進む。
いつのまにか大きめの一本道にたどり着いた。
軽く上り坂になっている通路を進んでいく。
少しすると遠くに明かりが見えた。
地上の光だ。
猫が急ブレーキをかける。
光を横切るように通路の両脇の影が動く。
その一部は明るい橙色と暗い橙色に透けてみえる。
「カティ、最後の戦闘だ。」
「はい!火魔法LV1蛍火」
中央へ移動した俺たちを阻んだものの姿が
徐々に鮮明に見えてくる。
宝石を身にまとったアリ。
鑑定
ステータス トパーズアント
LV25
HP 200
MP 100
攻撃 120
守備 1800
魔法攻撃 1100
魔法防御 80
素早さ 80
スキル:地魔法LV2 闇魔法LV5 火魔法LV4 火耐性LV8
虫食い かみ砕き ガードアップ
称号 宝石の加護 脱走者への鉄槌 耐えるモノ
死体グライ
ステータス ガーネットアント
LV29
HP 100
MP 200
攻撃 150
守備 1700
魔法攻撃 1300
魔法防御 90
素早さ 50
スキル:地魔法LV3 闇魔法LV6 火魔法LV2 火耐性LV8
虫食い かみつき ガードアップ
称号 宝石の加護 侵入者への鉄槌 耐えるモノ
死体アサリ
魔法攻撃と防御が極端に高い。
が他が極端に低い。
「カティ、魔法主体で攻撃する。2匹とも火耐性が高い。
魔法攻撃に気をつけろ。また分断されかねない。闇土火魔法をつかってくる」
「了解!」
カティが魔法の構築を始めるのと同時に
戦闘の口火を切ったのはまさかの猫だった。
俺たちをゆっくりと降ろすとそのまま突進していった。
「ワググゴオー」
一気に距離を詰め1匹に2発ずつ引っ掻きを入れる。
そのままのスピードで横壁を走り天井を走り
ダンジョンの外へと出て行った。
アント2匹は振り向き猫に追いつけない事を悟ると
再びこちらに向きをかえた。
「スピードでかく乱して一気に決めるぞ!ストーンガンズ!」
本来連射放出する石弾の技だが、
何故か手から離れない魔法。
ストーンよりも広範囲の石殴り技として使う。
5つの石を振り下ろす。
「エンチャント アクア!」
カティの水魔法が俺の手の石を覆う。
トパーズアントにヒット。
ガーネットが魔法で迎撃しようとしている。
魔法陣が展開される。
遅い!
「ストーンロッド!」
5本の石の杖へとカタチを変える。
伸びた杖が魔法陣ごと貫く。
ガーネットの胸の宝石が割れてちらばる。
「ストーンブレード!」
5本の杖はさらに変化し斬撃属性が加わる。
弧を描くようにして戻りトパーズを叩き斬る。
「ガンズアクアランス!!」
複数の水の槍が2体のアントに突き刺さる。
レベルLV25に上がりました。
地魔法LV6→LV7に上がりました。
闇魔法LV1を獲得しました。
LV1→LV2に上がりました。
火魔法LV1→LV3に上がりました。
スキル暗視LV3→LV5
命中LV3→LV5に上がりました。
称号 宝石の加護
レアハンター を取得しました。
一気にレベルアップか。
行けるな。
俺が止めてカティが仕留める。
出の早いストーン変化で攻撃する速攻小技の俺。
溜めの長い重い一撃で攻撃する大技のカティ。
ハマれば格上相手にも勝てる。
「よし。外にでよう!」
「やりましたね!」
カティが親指を立てる。
外へ!太陽の元へ!
少し早足で上り坂を登る。
日差しが体に染みる。
久々の太陽。
実際は1日ちょっとぶりくらいか。
森か林か。
木に囲まれている。
「カティも早く来いよ!」
振り向くとカティの後ろには音もなくモンスターが迫っていた。
カティは気づいていない。
「カティ!後ろだ!」
ダンジョンに踏み込む。
ダメだ。間に合わない。
カティが振り返る一瞬で何歩も距離を詰めている。
どうみても蟻の進化種。
二足歩行。
ステータス アメトリンアントナイト
LV58
HP 1100
MP 1200
攻撃 1150
守備 1700
魔法攻撃 2200
魔法防御 1900
素早さ 1900
スキル 地魔法LV8 その他 不明
称号 人食い その他 不明
ステータス クリスタルアントナイト
LV62
HP 1200
MP 1100
攻撃 1850
守備 1700
魔法攻撃 1300
魔法防御 1000
素早さ 2200
スキル 光魔法LV8 その他 不明
さっきのやつらの弱点を克服したような進化個体。
鑑定結果も不明点が多い。
片手で魔法陣を形成させながら移動している。
魔法攻撃!
まずい
振り向く前に攻撃がくる!
カティの目の前に土壁。
何枚もの土壁が次々と
上から横から下から
何枚ものシャッターを下ろすように
一本道を埋め尽くしていく。
最後の一枚が俺の腹に直撃するような角度で放たれ、
ダンジョン外へと吹き飛ばされた。
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