スカムバック(底辺委託者)の二人組、警察に代わって凶悪犯の取り締まりを受諾する彼らが、武器製造企業の暗躍を阻止すべく暗殺者集団と戦うお話。
サイバーパンクSFです。パルプ的かつコミック的な独特の世界を、異様なテンションの高さで綴ったアクション娯楽大作。個性の塊みたいなキャラクターが次から次へと乱舞し、過剰なまでの激しい戦いを繰り広げる様は、もう説明不要のわかりやすさに満ちていて最高でした。なんですかこの異常な爽快感は……。
勢いに任せてゴリゴリ読み進めるのが楽しいエンタメ作品、なんですけど、しかし豪華絢爛なその演出の裏で、きっちり人間のドラマを描いているのが嬉しいところ。
彼ら彼女らの行動の動機というか、根っこにはしっかり一個の人間としての矜持があって、それゆえに進むのだ、というのがわかるところがもう本当に気持ちいい!
特に主人公コンビの抱えたものが好き。実はラスボス(にあたるであろう人物)の語った信念が好きで、でもそこに対しての彼らの答えというか、なるほどこの主人公たちならそうよね! ってなるところが本当にたまりません。
ある種の異様さを、でも一旦平常のものとして世界の基本線に敷いて、そのうえで人間普遍のドラマで殴りつけてくれる物語。読み手の魂を熱く震わせてくれる、とても読み応えのある作品でした。面白かったー!