第5話思い出の場所に

目が覚めた水樹、部屋には夏の日差しがさして、やばい...もう、こんな時間、時計を見たらバス時間に遅れてしまう。

慌てて起き、ワンピースに着替え、ピンク色のカーディガンを羽織、昨夜のうちに用意をした置いた鞄を手にして、階段を駆け下りた。

『ママ....ご飯いらない』

キッチンに立っている母親に言った

『こんな早く怜奈ちゃんの所に...』

あっ、そうだった

昨日、怜奈とランチに行くと言ったのだった。

『うん....遊園地に行ってからランチなの...』

テーブルのパンを少し口にして

『いって来るね...』

『気をつけて行ってくるんだよ』

水樹は慌てて家を出た

水樹は、履き慣れていないお母さんから借りた赤いパンプスを履いて、急いで駅に向かっていた。

もう少しかな....

駅前のバス乗り場で待っている誠也。

ジーンズにシャツ姿、そして黒い鞄を肩から下げていた。

そう言えば、昨日は行くともハッキリ返事が貰えなく不安だが、きっと来ると信じて、遠くを見ていた。

白のワンピース姿の水樹が目に映った。

誠也は大きく手を振ろうとしたが、照れくさいのでやめ、水樹が来るのを待っていた。

『おはよう....』

誠也は微笑みながら

『お待たせ..』

誠也の前に来て

『昨日...知らぬ間にいなくなるんたも..』

『塾だったから...』

微笑みながら誠也は言った

『何か飲む....』

二人はは自販機の所に行って

『私はミルクティー...』

誠也は、ポケットから小銭を出して、小銭を自動販売機に入れると、

ガタンと音がして、ミルクティー、そしてメロンソーダが出て来た。ミルクティーを水樹に渡して、誠也はメロンソーダを手に持ってバス停に....

朝早いのに日差しが強く、誠也の目にはピンク色のカーディガン、そして白のワンピース姿の水樹が眩しく、あと家族連れ、カップルなどの10人がバスが来るのを待っていた。

『あっ...来た』

遠くに青色のバスが....

二人は不思議な気持ちを覚えて、バスに乗った。

水樹は窓側、そして誠也は通路側だった。

『誠也君は向日葵の里に行くのはいつ以来なの?』

『水樹に会った時からは行っていないんだ』

『そうなの...私は毎年家族で行っているんだ...まだ、少し古くなったけど、あのカフェあるよ』

『本当に....そこに行って見たいな』

誠也は声を弾ませて言った。

『そう...あの時のソーダ水、覚えている?』

誠也の右手に先ほど買ったメロンソーダを見て笑いながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る