第4話初めての嘘


『ママ....』

食事を食べ終わり、リビングでテレビを見ている時

『ママの若い頃に着ていた洋服あるよね....』

『あるけどどうして...』

テレビを見るのをやめて水樹を見て

『明日、お出かけするけど、それで貸して欲しくて』

『別に好いけど、地味でないかしら...』

水樹は、それでよかった

『ママの白のノースリのワンピースを貸して欲しいな』

あの服って、水樹には大人っぽくないのかと思いながらも

『みーちゃん....もしかしてデート』

水樹にも彼氏が出来てもおかしくない年頃だと思って聞いた。

『違うよ....怜奈ちゃん達とランチに行くの』

何故か、誠也君と遊びに行くと言えなかった、それは、ママに初めてついた小さな嘘だった。

『そうなの、怜奈ちゃんはお洒落だから、水樹も少しお洒落になったのかな』

そう笑いながら寝室から、白のワンピースを持って来て、水樹に渡した。

受け取った水樹は、部屋に戻りジーンズ、Tシャツを脱ぎ捨てて、ワンピースを着て、自分の姿を見ている。

うーん...似合わないかな?いつもジーンズの水樹はとは違い、少し大人になった水樹に見えた。

だって、あの時も私、白のワンピースだったから、白のワンピースを着て行きたいし、これにピンク色のカーディガンを羽織ったらと大丈夫と思い、水樹はそれを着て行く事にした。

明日は、晴れます様にと、白のワンピースをハンガーに掛けてベッドに。

白のワンピースは、まるでてるてる坊主の様に思えた水樹だった。

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