第3話新しい出会い
『もしかしてせーちゃん、私、ミーだよ、覚えている』
誠也の手にしている向日葵のストラップを取って
『これ…見て』
ストラップの向日葵の裏には、相合い傘がが書かれていて、そこにはせーちゃん、みーちゃんと書かれていた。
それは、あの時に二人で書いた相合い傘だった。
それを見た誠也は驚いて、自分のスマホを見た。
少し色褪せた向日葵のストラップがスマホに付いていた。
『みーちゃん…』
驚いた誠也は水樹の方を見て
『本当にみーちゃん』
会いたかっ…絶対、もう一度会えると思っていた。
誠也は水樹の両肩に手を軽く掛けて
顔を少し確認する様に見て
『右目の横にホクロがある、みーちゃんだね』
そう笑って水樹を見た
『ごめん…』
水樹は誠也を見てすまなそうな顔をしている。
『あの日』
水樹は、次の日の朝早く誠也と待ち合わせをしていたのだった。
将来の夢の話しの続きをすること約束だったのに、朝、目を覚ますと大雨、コテージを出ようとした時に
『みーちゃん、何所に行くの、こんな大雨なのに』
水樹の母親の声が、水樹は誠也に会いに行く事が出来なかったのだった。
『ごめん…俺、朝行かなかったんだ』
誠也は、明日、台風が来るからと言われて、その夜に両親とここから30㌔離れた父親の実家に帰っていたのだった。
『そうなの、よかった』
まー、今はこうして、誠也君にもう一度会えたのだから、夢の続きの話しは、いつでも聞けると思った水樹は、先に帰った友達を思い出した。
『もう、行かないと…』
『また、休みが明けに』
そう口にして水樹が帰ろうとした時
『明日、向日葵畑行かない』
帰ろうと、背中を誠也に向けた時、後ろから水樹を呼び止める声が
明日…うーん、ここからだったら
バスで二時間、日帰りで行けるし
確か、朝の早いバスが駅前からあるかもと思って『うん…それって…』
そう言おうとした時に
『水樹…』
大声で叫びながら、先に帰っていたはずの、友達二人が走って来た…
水樹も花畑を少し出て
『ごめーん、ちょっと』
『なにしての、こんな所に一人で』
慌てたた水樹、勘違いされても
『向日葵を見ているの?』
友達の怜奈が水樹を見て言った
『うーん』
早く誠也君、私から離れて、勘違いされちゃうよ、そう思いながら、後ろを振り向く誠也君の姿はなかった。
いつ、いなくなったの…明日の事の返事もしていないのに
水樹は、どうしたらいいのかと迷いながらも玲奈達と最近出来たカフェに寄った。
『水樹って花が好きなの?』
玲奈はオレンジジュースを飲みながら
『少しね...誠也君てクラスにいるかな?』
水樹は、玲奈達が誠也君がいたのに何も言わないので気になり聞いた。
『誠也君、そんな男の子いたかな』
『そうなの』
隣のクラスの男の子なのかなと思い聞いていた。
『もう早、彼氏候補見つけたの』
『そんな事ないよ』
でも、急にいなくなり変だなと思った水樹だった。
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