あの方へラブレター
あなたと学校で出会ってから、もう3年になりましたね。私が勉強や部活に頑張っている間、あなたは優しい目でずっと見守ってくれていました。そんなあなたに支えられたおかげで、私はこの高校を無事に卒業することができたのです。大学も第一志望に合格できました。
高校生活の間、私はヤンキー風な同級生に絡まれて、いじめられることもありました。一人で屋上へ弁当を食べていたら、いきなり七味唐辛子を弁当全体にどっぷりかけられ、辛くてツラくて泣きながら、悶えながら食べたこともありました。
それでもあなたは助けてくれるわけではありませんでしたが、優しい目で見守っていてくれましたね。
私が陸上部の県大会で2位になったあとで会ってみたら、あなたはどこか穏やかな笑顔で私を祝福しているように見えました。そんな素直なあなたが好きでした。
私の家に遊びにくるわけでもなかったけど、あなたがずっと見守っていてくれると思えば、何だか心強かったです。でももう、こうやって会えるのもこの日が最後ですね。
なぜなら私は次の道に進むけど、あなたはずっとそこにいるままだからです。まるで留年したようにも思えます。それでも、これからも私を優しく見守っていてください。
この手紙を、最後のメッセージとしてあなたに捧げます。それでは、さようなら。
理科室のガイコツさんへ
崎本美幸より
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます